増え続ける「億ション」…購入できる人の年収は?
2020年、世界中を襲った新型コロナウイルス。さまざまな方面に影響を与え、好調と言われていた東京の分譲マンションの売れ行きも大幅減に。今年はその反動で大幅アップと言われ、特に都心や駅近物件は根強いものがあります。
国土交通省『令和元年度住宅市場動向調査』で、新築分譲マンションはどのような人が買っているのか、見ていきましょう。
世帯年収:798万円
世帯主年齢:43.26歳
世帯主職業:会社・団体職員47.6%、会社・団体役員:28.3%、公務員8.6%、自営業5.9%、無職4.5%、年金受給者1.5%、派遣社員・短期社員0.4%
居住人数:2.9人
購入資金:4456.52万円(うちローン 2701.98万円)
平均返済期間:31.53年
購入物件延べ床面積:75.76㎡
最寄り公共交通機関までの距離:0.9km
通勤時間:44.9分
不動産経済研究所によると、首都圏における2020年の新規供給戸数は2万7228戸で、分譲価格は首都圏平均で6083万円でした。新築分譲マンション購入者の平均購入価格を1500万円ほど上回っています。やはり首都圏、特に東京は別格、といったところでしょうか。
また販売価格1億円超、いわゆる「億ション」は1818戸。最高額はプラウド代官山フロントの6億9000万円だったそうです。
――億ションなんて、夢のまた夢
一般の人から見たら、遠い別世界の話です。そもそも億ション、どのような人であれば買えるのでしょうか。
前出の国土交通省の調査によると、自己資本は4割程度。残りはローンを活用しています。仮に1億円の新築分譲マンションを、6000万円30年ローンで借入して購入したとします。当初5年の金利を0.6%、以降は1.5%として計算すると、利息は1180万1054円、返済総額は7180万1054円。月々の返済額は当初5年は18万2157円、5年目以降は20万2906円となります。
一般的に住宅ローンの年間返済額は、税込年収の25%以内と言われているので、上記条件で億ションが買えるのは、税込年収973万9488円以上の人であり、仮に月給の4ヵ月分という一般的な賞与をもらっているとすると、月給61万円程度の人となります。
月収61万円というと、子どもが2人いたとすると、手取りは約44万5000円程度。そこからローンを差し引いた、25万円程度で毎月やりくりすることになります。
子供の教育費の積立もありますし、億ションに住んだら、周囲と生活レベルを合わせる必要もでてくるでしょうから、生活費も高くつくでしょう。税込年収1000万円弱で億ションを買うのは、少々現実的ではないかもしれません。
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