行動経済学の権威のダニエル・カーネマン(1934〜)が2002年にノーベル経済学を受賞しており、近年行動経済学への注目度が高いことがわかります。
次に、いますぐもらえる3万円と1年後もらえる4万円ではどちらをとりますか? 銀行の利子を足しても通常3万円は1年後に4万円にはなりませんが、多くの人は目先の3万円をとります。
このように目先の利益に弱いことを、時間選好性が高いといいます。また将来の利益よりも現在の利益を優先するので、現在性バイアスともいいます。確実性バイアスと、現在性バイアスによってもたらされるのが、現状維持バイアスです。現状維持バイアスは人類が厳しい自然の中で生き残るために身につけた必要な能力だったのかもしれません。
肥満が改善できない、禁煙ができないというのも現状維持バイアスに質を重視しますが、これを確実性バイアスと呼びます。よるものです。しかし、病院経営ではこの現状維持バイアスがイノベーションの障害となります。
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愛知医科大学 内科学講座肝胆膵内科学准教授
角田 圭雄
愛知医科大学内科学講座肝胆膵内科学准教授(特任)。一般社団法人日本医療戦略研究センター(J-SMARC)代表理事。医師、博士(医学)、MBA(医療経営学修士)。
1970年大阪府生まれ。1995年京都府立医科大学卒業、2002年京都府立医科大学大学院で博士号(医学)を取得。市立奈良病院消化器科部長、京都府庁知事局知事直轄組織給与厚生課健康管理医(総括)、京都府立医科大大学院医学研究科消化器内科学講師を経て2016年10月から現職。2015年英国国立ウェールズ大学経営大学院でMBA in Healthcare Management(医療経営学修士号)を取得。立命館大学医療経営研究センター客員研究員を兼任。日本肝臓学会評議員・指導医。日本消化器病学会評議員・指導医。日本医療経営実践協会医療経営士3級。
著書に『最新・C型肝炎経口薬治療マニュアル』(2016年4月、編集および共著)『症例に学ぶNASH/NAFLDの診断と治療|臨床で役立つ症例32』(2012年4月、編集および共著)、『最新!C型肝炎治療薬の使いかた』(2012年10月、編集および共著)、『見て読んでわかるNASH/NAFLD診療かかりつけ医と内科医のために』(2014年8月、編集および共著)
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