「自分の子がいい成績を取るために」「きちんとした子になるために」子どもを叱ることがあります。そのときに言ってはいけない言葉を、『東大・京大に合格する子は毎朝5時半に起きる』(実務教育出版)の著者で、母学アカデミー代表の河村京子氏が解説します。

悪いところよりもいいところを大げさに伝える

「おたくのお子さんは、落ちつきがありません」

 

「おたくのお子さんは、お友だちと仲よくすることができません」

 

学校や幼稚園の保護者面談で、先生からこのように言われたらどうしますか。ほとんどのお母さんは、動揺してしまうでしょう。

 

その面談の最中は、はずかしい気持ちでいっぱいになります。そして、はずかしさがだんだん怒りに変わり、家に帰ると子どもに、

 

「あなたが落ちつきがなくてお友だちと仲よくできないから、お母さんははずかしい思いをしたのよ!」

 

と怒りをぶつけてしまうかもしれません。私もわが子が小学生のときの保護者面談では、いろいろな先生にいろいろなことを言われました。

高い自己肯定感が高い学力・能力を生む

子育てにおいて、大切なことはたくさんあります。この本のテーマである学力を伸ばすことも大切ですし、挨拶(あいさつ)ができることもやさしい子どもに育てることも大切です。

 

そして、その優先順位はご家庭によって異なるでしょう。

 

ご両親がスポーツをしてきた経験があれば、スポーツや協調性を身につけることが優先順位の上位にあがるでしょう。芸術に親しんだご両親なら、芸術をたしなむことが人生の楽しみであると教えることになるでしょう。

 

でも、それらすべてにつながることがあります。それは「自己肯定感の高い子どもに育てること」です。実は私の子育ての優先順位一位が「自己肯定感」を育てることでした。

 

自己肯定感とは、その言葉のとおり、「自分をOKだと思う感覚」です。

 

人間には誰にでも長所と短所があります。その短所も含めて自分が好きだと言える気持ちです。言い換えると、自分のことを信じることができるということです。

 

子どもの学力を磨くことも大切ですが、自己肯定感を高くすることで学力はその分高くなります。

 

反対に、勉強のできない部分ばかりを指摘していると、子どもの自己肯定感は下がります。そうすると、学力は下がってしまうのです。自己肯定感を下げないように親がサポートすることは、学力以上に大切なのです。

 

子育ての方法は、どれも自己肯定感を高くするための方法です。そういった土台があってはじめて、子どもの学力は伸びていくのです。

 

しかし実は、日本人は世界のなかでも自己肯定感が低いと言われています。これはとても残念なことです。もっとも、日本の子育てを見ていると、それも仕方がないと思えます。

 

日本の教育は、家庭でも学校でも「短所に注目する」教育と言えます。悪い部分を指摘して、直していこうとするからです。

 

また、「みんなと一緒」を大事にします。人と違うことをするのを極端に嫌う傾向があります。みんな一緒だったら安心、だからでしょうか。

 

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東大・京大に合格する子は毎朝5時半に起きる

東大・京大に合格する子は毎朝5時半に起きる

河村 京子

実務教育出版

長男は、東京大学理科Ⅰ類に現役合格 次男は、京都大学理学部に現役合格 長女は、英国のロンドン大学UCLに現役合格 そんな河村家の「子育ての秘密」とは? 悪戦苦闘しながら3人の子どもを育てた河村さんは、こう語ります…

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