今回は、空き家になった親の家にかかるお金を確認するために、調べておくべき項目を見ていきます。※本連載は、「マンション評価ナビ」の企画・運営を手がける株式会社風の代表取締役、大久保恭子氏の著書、『どうする?親の家の空き家問題』(主婦の友社)の中から一部を抜粋し、空き家になった親の家への対処法を紹介します。

火災保険・地震保険の有無のほか、ローン残債も確認を

前回の続きです。「3.お金関係について把握する」について見ていきます。

 

親の家には、土地、建物それぞれに毎年固定資産税、都市計画税、維持・管理費がかかります。それ以外のお金について補足しておきましょう。

 

●火災・地震保険に加入していますか?

 

火災・地震保険に加入していれば、保険料の払い込みが必要です。1例ですが、千葉県の木造一戸建て保険金額が2000万円とすると、火災保険料は保険期間1年で約1万5000円。また地震保険にも加入してて、保険金額が1000万円とすると、保険期間1年の保険料は約1万8000円。合計すると1年間で3万3000円ほどかかってしまいます。

 

地震保険料は平成28年秋以降、段階的に平均2~3割引き上げられるようです。南海トラフ地震や首都直下地震など巨大地震リスクの高まりなどで、巨額の保険金が必要になることを想定してとのことだそうです。ますます出費が増えそうです。

 

住宅ローンの残債はありませんか?

 

それ以外のお金といえば、住宅ローンです。多くの場合、ローンは完済されているとは思いますが、老朽化による建て替えやリフォームによるローンの残債があれば、毎月その返済をしなければなりません。先に述べた税金・維持管理費約50万円にこれらの金額を足すと相当な額になります。親の家にかかるお金は、結構なものですね。

 

売るという決断をすれば、これらのお金はいっさいかからなくなります。売らずに空き家のまま、もしくは更地にして保有すると決めれば、これらのお金の負担は継続します。負担してまで保有するのか、負担が多すぎるので売るのか、といった大筋の決断を迫る材料になるのです。

土地購入代金・建築費・建て替え代金も調べておく

住宅取得時の費用はわかりますか?

 

土地の購入代金、建物の建築費、建て替え代金もわかるようでしたら調べておきましょう。親の家を売ったときの売却益を計算するうえで必要なデータとなります。

 

売却益=売り出し価格−(土地の購入代金+建設資金+諸費用)

 

 

ここまで作業が進むと、親の家の概要が整理でき、同時に親がどのような気持ちでこの家を建てたのか、またこの家でどんな人生を送ったのかが垣間見えてきたことと思います。

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    本連載は、2015年8月31日刊行の書籍『どうする? 親の家の空き家問題』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

    どうする? 親の家の空き家問題

    どうする? 親の家の空き家問題

    大久保 恭子

    主婦の友社

    空き家対策特別措置法施行により、親の家を空き家で放置することがますます大きな問題に! 今や親が残してくれた空き家は国民的問題。空き家の数は過去最高の820万戸。環境悪化や倒壊など、空き家の長期放置がもたらす外部不…

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