売れない空き家は「持っている」しかないが・・・
本連載第10回に掲載した有効活用方法の表で、地方都市のバス利用の親の家には「持っているしかない」「寄付」という欄に○がついています。いったんは「売る」を選択したものの、買い手がいないとなれば、しかたなく固定資産税や維持・管理費を負担しながら持ち続けるしかない、というのが現実です。
ただし、貸すも売るもできないような家の固定資産税は、おおむね少なくてすみます。土地の固定資産税評価額が30万円、建物が20万円以下であれば、固定資産税は0円という免税点があります。とはいえ、それくらいでは何の慰めにもならないかもしれませんね。
そこで、ダメもとで自治体の空き家再生等推進事業の対象となるかどうかを、確認しておきましょう。
この事業は空き家対策計画対象地域の空き家を、体験宿泊施設や交流施設に改修する際の費用を補助する、もしくは防犯性や防災性の向上のため家を除去する際に除去費用を補助するというものです。
公共事業に活用できない土地は寄付も難しい
それでは寄付はどうでしょうか。
栃木県宇都宮市では土地の寄付についての相談を受けていますが、実際に電話で担当者に伺ったところ、対象となるのは道路や公園、河川の拡幅などの公共事業に活用できる土地だけとのことです。
防災拠点として利用が見込める土地の寄付を受けつけるほかの自治体もあるようですが、おおむね宇都宮市と同じ対応ではないでしょうか。現実にはほとんどの土地が、寄付は難しいということになります。