今回は、買い手がつかない空き家への対処法を見ていきます。※本連載は、「マンション評価ナビ」の企画・運営を手がける株式会社風の代表取締役、大久保恭子氏の著書、『どうする?親の家の空き家問題』(主婦の友社)の中から一部を抜粋し、空き家になった親の家への対処法を紹介します。

売れない空き家は「持っている」しかないが・・・

本連載第10回に掲載した有効活用方法の表で、地方都市のバス利用の親の家には「持っているしかない」「寄付」という欄に○がついています。いったんは「売る」を選択したものの、買い手がいないとなれば、しかたなく固定資産税や維持・管理費を負担しながら持ち続けるしかない、というのが現実です。

 

ただし、貸すも売るもできないような家の固定資産税は、おおむね少なくてすみます。土地の固定資産税評価額が30万円、建物が20万円以下であれば、固定資産税は0円という免税点があります。とはいえ、それくらいでは何の慰めにもならないかもしれませんね。

 

そこで、ダメもとで自治体の空き家再生等推進事業の対象となるかどうかを、確認しておきましょう。

 

この事業は空き家対策計画対象地域の空き家を、体験宿泊施設や交流施設に改修する際の費用を補助する、もしくは防犯性や防災性の向上のため家を除去する際に除去費用を補助するというものです。

公共事業に活用できない土地は寄付も難しい

それでは寄付はどうでしょうか。

 

栃木県宇都宮市では土地の寄付についての相談を受けていますが、実際に電話で担当者に伺ったところ、対象となるのは道路や公園、河川の拡幅などの公共事業に活用できる土地だけとのことです。

 

防災拠点として利用が見込める土地の寄付を受けつけるほかの自治体もあるようですが、おおむね宇都宮市と同じ対応ではないでしょうか。現実にはほとんどの土地が、寄付は難しいということになります。

本連載は、2015年8月31日刊行の書籍『どうする? 親の家の空き家問題』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

どうする? 親の家の空き家問題

どうする? 親の家の空き家問題

大久保 恭子

主婦の友社

空き家対策特別措置法施行により、親の家を空き家で放置することがますます大きな問題に! 今や親が残してくれた空き家は国民的問題。空き家の数は過去最高の820万戸。環境悪化や倒壊など、空き家の長期放置がもたらす外部不…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録