親の家を委ねる不動産会社には足を運ぶべきだが・・・
親の家を空き家状態にしている言い訳として、遠いから不動産会社との対応や契約、登記といった諸手続きができない、というのがあるとしたら、それは理由にはなりません。
家を「売る」「貸す」と決め、不動産会社を1社に絞り込む段階で、一度は不動産会社に出向いて、売り出し価格の査定や家賃設定についての説明を直接受け、わからないことは質問すべきです。そしてその対応により信頼できる不動産会社かどうかを、実際に確かめるというプロセスは、安心・安全な取引のためには、踏むべき手順です。
しかし、ひとたび売りに出したり、借り手の募集が始まれば、その後の状況報告を聞いたり、売り出し、貸し出し条件の変更などについては、電話やメール、ファクスでやりとりすることで十分対応できます。
実際は、郵送や振込みだけで契約を済ませることも可能
親の家の買い手が決まったら、売買契約を交わします。通常は買い手と売り手、仲介業務を行った双方の不動産会社が一堂に会し、契約書にサインをし、売買代金の一部となる手付金を買い手が売り手に支払います。
でも遠隔地のため、その場に出向けない場合はどうなるのでしょうか。
事前に不動産会社から契約書を送ってもらい、それに実印を押し、印鑑証明を添付して送り返します。送り返した契約書に買い手がサインするといった、持ち回り契約ができるのです。同時に売買代金の一部である手付金を買い手に売り手の口座へ振り込んでもらいます。その15分後くらいに、売り手は銀行へ電話をして入金確認ができたら、契約は終了となります。
その後、日をあらためて引き渡しがあります。引き渡しとは売買代金の残金支払いと同時に司法書士へ登記委任をする手続きで、この場面も出向かずにすむ方法があります。契約同様、司法書士から事前に郵送された登記関連の書類に押印したものを返送し、次に買い手が押印。その後買い手が残代金を売り手の口座へ振り込み、売り手が送金されたことを確認し、司法書士に登記代行の手続きをして引き渡しは終了となります。
親の家について「売る」「貸す」を考え始めたら?
親の家について「売る」「貸す」を考え始めたら、まず手前みそではありますが、私がコンテンツ制作に関わっている、国土交通省監修、公益財団法人不動産流通推進センター運営の「不動産ジャパン」のホームページ を閲覧してみることをおすすめします。
「売る」「貸す」などについて、取引の流れから契約、引き渡しまで、基本的なことはすべて紹介されています。また、住まいの税金や法律、トラブル事例なども網羅されていて、安心・安全な不動産取引をサポートする総合情報サイトです。中立・公正な立場でつくられているので、信頼性が高く、住宅・不動産取引をする人のための、知る人ぞ知るバイブル的存在です。最近閲覧数も伸びているようです。
[図表1]実践知識のバイブル「不動産ジャパン」
また現在「空き家情報提供サイト」が設置されており、国、自治体の支援策や空き家を貸す、売る情報も掲出されていて、参考になるでしょう。
[図表1]空き家情報提供サイト