日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は、「マイホームのリフォーム」に焦点をあてていきます。

60代年金世帯…ローンでリフォームのリスク

もう首がまわらない…(※画像はイメージです/PIXTA)
もう首がまわらない…(※画像はイメージです/PIXTA)

 

日本弁護士連合会による『2017年破産事件及び個人再生事件記録調査』によると、60代以上の破産債務者は、全体の23.91%、年金生活者は6.22%。負債額は「100万~200万円未満」が14.86%と最も多く、「100万円未満」でも7.51%と、低額のローンでも破産に追い込まれている現状が垣間見られます。

 

また総務省『家計調査』(2019年)の65歳以上世帯の家計収支に注目すると、高齢者世帯の「実収入」は世帯主が無職の場合で月額24万5374円。そのうち「公的年金」は20万2746円で、65歳を超えても年金以外に毎月4万円以上の収入を得ています。

 

一方で収入に対して毎月の支出額を引いた黒字月額は-2万8472円。毎月「公的年金+4万円」の収入を得ていたとしても、3万円近い赤字となる……というのが、年金暮らしの平均像といえます(関連記事:『高齢者世帯、平均年金額20万円「月3万円の赤字」の絶望感』)。

 

前出の『住宅市場動向調査』によると、借入金の平均は40万円あまり。現役世代であれば、少額の融資といえますが、年金世代には大きな額。平均的な高齢者世帯であれば、毎月が赤字なわけですから、ローン返済をしながらの暮らしは厳しいものになりそうです。

 

持ち家であれば、住み続けるにはリフォームは必須。その初めてのリフォームが、年齢的に定年後ということも珍しくありません。しかし年金頼りの高齢者には、少額の融資であっても家計が行き詰まってしまう可能性は知っておくべきですし、これからマイホームを購入する現役世代は、将来的にリフォームが必要になることも加味して、資産形成をすすめる必要があります。

 

 

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