日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は、昨今の「雇用情勢」に焦点をあてていきます。

コロナ禍で「転職者」が急減

2020年、東京五輪を控え、どこか浮かれ調子だった日本。ところが新型コロナウイルス感染拡大で状況は一変しました。厚生労働省『一般職業紹介状況(職業安定業務統計)』で有効求人倍率(パート除く)の推移を見ていくと、感染拡大による1回目の緊急事態宣言が発令された昨年4月を境に、雇用情勢は大きく変わったことがわかります。

 

厳しい…(※画像はイメージです/PIXTA)
厳しい…(※画像はイメージです/PIXTA)

 

【有効求人倍率(パートタイムを除く一般)】

2020年1月:1.45
2020年2月:1.41
2020年3月:1.32
2020年4月:1.17
2020年5月:1.06
2020年6月:1.02
2020年7月:1.00
2020年8月:0.99
2020年9月:1.00
2020年10月:1.02
2020年11月:1.06
2020年12月:1.09

 

このような状況下で、転職者も減少。総務省『2020年(令和2年)労働力調査』によると、2020年の転職者数は約319万人。前年に比べて32万人の減少になりました。過去10年を見ていくと、転職者数は右肩上がりでしたが、ここでマイナスを記録。新型コロナウイルスの感染拡大が、いかに影響の大きなものだったのか、伺うことができます。

 

【転職者数の推移】

2011年:284万人(前年比1%増)
2012年:286万人(前年比2%増)
2013年:287万人(前年比1%増)
2014年:291万人(前年比4%増)
2015年:299万人(前年比8%増)
2016年:307万人(前年比8%増)
2017年:311万人(前年比4%増)
2018年:329万人(前年比18%増)
2019年:351万人(前年比22%増)
2020年:319万人(前年比32%減)

 

転職者比率(就業者に占める転職者の割合)は、2020年で4.8%。年齢別に見ていくと「15~24歳」が最も多く10.6%(59万人)。「25~34歳」6.7%(73万人)、「35~44歳」で4.4%(60万人)、「45~55歳」で3.7%(59万人)、「55~64歳」で4.0%(47万人)。以前は転職に対して35歳限界説などといわれていましたが、人材の流動化により、いまや年齢による限界はない、といったところでしょうか(図表1)

 

出所:総務省『2020年(令和2年)労働力調査』より作成
[図表1]転職者、年齢別の内訳 出所:総務省『2020年(令和2年)労働力調査』より作成

 

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