マイホームのリフォーム…60代が最多
マイホームは購入するのがいいのか、それとも賃貸するのがいいのか。きっとこの答えは一生出ることはありませんが、購入した場合、それで終わりというわけにはいきません。
新築でマイホームを購入しようと、家は時間とともに古くなって傷んでいくもの。年を取れば、高齢者の暮らしにも対応した設備をプラスしたくなるでしょう。
住み続けるのであれば、リフォームは必須です。
国土交通省『令和元年度 住宅市場動向調査』で、リフォームを行った人について見ていきましょう。
まずリフォームを行った家の平均築年数は27.9年。「昭和60年(1985年)~平成6年(1994年)築」の住宅が最も多く28.6%。「平成7年(1995年)~平成16年(2004年)築」の住宅が23.4%と続きます。
また「初めてのリフォーム」という人が最も多く40.5%。一方で「前回のリフォームが5年以内」という人が23.2%と続いています。1回だけでは終わらなかったのか、または資金的に1回ではできなかったのか、定かではありませんが、一度リフォームを行った5人に1人以上が、5年以内に次のリフォームを行っています。
そしてリフォームの内容として最も多いのが、「住宅内の設備の改善・変更」で34.9%。「冷暖房設備等の変更」が 33.4%、「住宅外の改善・変更」が 30.9%と続きます。
「住宅内の設備の改善・変更」では、「台所・便所・浴室等の設備を改善」 が 82.8%で最も多く、次いで「窓・扉など建具を取り替えた」が 24.4%。一方「冷暖房設備等の変更」では、「冷暖房設備を改善・設置した」が 91.5% で最も多く、「給排水管の修理や交換を行った」が 13.0%と続きます。
リフォームを行った場所で最も多いのが「居間」で25.9%。「キッチン」21.9%、「トイレ」20.9%、「浴室」20.7%、「外壁」20.6%と続きます。
そんなリフォームですが、「住宅がいたんだり汚れたりしていた」が37.8%、「台所・浴室・給湯器などの設備が不十分だった」が22.7%と、経年劣化やライフスタイルの変化などが要因と思われる理由が上位を占めています。
またリフォームを行った世帯主の平均年齢は60.0歳。前出のリフォームを行った家の平均築年数から逆算すると、30代で買ったマイホームが、経年で古くなったから定年を前にリフォームする……という平均的な姿が見えてきました。
またリフォーム資金の平均は178万円で、そのうち自己資金は137万円。自己資金の内訳をみると、「預貯金・有価証券売却代金・退職金」が最も多く、借入金の内訳は「民間金融機関」が最も多くなっています。またローンの返済期間の平均は15.7年で、「10~20年未満」が最も多く50.0%、「20~35年未満」が27.8%、と続きます。
そんなリフォームで「困ったことは特にない」が64.5%だったのに対し、「見積もりが適切かどうかわからなかった」で13.5%、「費用が当初の見積もりよりオーバーした」が9.0%など、リフォームにはお金にまつわるお困りごとが付きもので、実際に検討する場合は気をつけたいところです。
リフォームの見積りは、見る機会もほとんどなく、何に注目して判断すればいいのか難しいところ。そのような状況につけこみ、高額の見積りを提示する業者も少なからずあります。安易に業者を決めず、疑問に思ったことは些細なことでも聞くようにするのがベストです。
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