賃貸用の物件購入「木造」「鉄筋マンション」どっち?
正解:当面の必要経費は「木造住宅」のほうが高くなる
引きつづき、減価償却についてくわしく見ていきましょう。同じ金額で固定資産を買っても、「耐用年数」が違うと毎年の税金が変わってきます。
小さな金額のものであれば、そこまで大きな影響はないのですが、大きくなればなるほど、耐用年数をふまえて購入を決める必要があります。とくに金額が大きく、耐用年数の影響が大きなものとして、「建物の減価償却」が挙げられます。これは不動産賃貸をはじめたい人にとっては重要な問題です。
では、建物の耐用年数を見てみましょう。
建物はその構造によって耐用年数が違い、木造、軽量鉄骨造、重量鉄骨造、SRC造・RC造の4タイプに設定されています。自宅用の物件と賃貸用住宅物件でも耐用年数は違いますが、ここでは賃貸住宅用物件として説明を進めます。すると耐用年数は以下のとおりです。
・木造: 22 年
・軽量鉄骨造:27年
・重量鉄骨造:34年
・SRC造・RC造:47年
このように、同じ建物であっても、耐用年数には最大で2倍以上の開きがあります。
もっとも短いのは木造住宅です。木造であれば、建物の購入費は22年に分けて計上されますが、SRC造・RC造の場合、購入費をすべて必要経費として活用するまでに47年もかかってしまいます。
そう考えると、同じ購入費であれば、1年あたりに計上できる費用は、木造のほうが多いということ。つまり、耐用年数が残っている22年間のうちは、木造住宅のほうが有利ということになります。また、中古の木造物件を購入した場合は、さらに耐用年数が短くなります。計算の詳細は割愛しますが、たとえば耐用年数をすでにオーバーした木造アパートを1棟買った場合、耐用年数はなんと4年になります。