「木造のほうが減価償却の節税メリットが」元国税専門官ズバリ

「毎年確定申告するのが面倒くさい」「節税したいけど、どうしたらいいか分からない」……、毎年1月頃になるとこのような声をよく聞く。日本の税制は、納税者自ら確定申告をする「申告納税制度」で、申告内容の一部は納税者の選択に委ねられているのだ。申告相談に携わった元国税専門官が、節税にはどっちが得なのか、プロの税金術を公開する。本連載は小林義崇著『元国税専門官が教える! 確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち?』(河出書房新社) より一部を抜粋し、再編集したものです。

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賃貸用の物件購入「木造」「鉄筋マンション」どっち?

正解:当面の必要経費は「木造住宅」のほうが高くなる

 

引きつづき、減価償却についてくわしく見ていきましょう。同じ金額で固定資産を買っても、「耐用年数」が違うと毎年の税金が変わってきます。

 

小さな金額のものであれば、そこまで大きな影響はないのですが、大きくなればなるほど、耐用年数をふまえて購入を決める必要があります。とくに金額が大きく、耐用年数の影響が大きなものとして、「建物の減価償却」が挙げられます。これは不動産賃貸をはじめたい人にとっては重要な問題です。

 

同じ金額で固定資産を買っても、「耐用年数」が違うと毎年の税金が変わってくるという。(※写真はイメージです/PIXTA)
同じ金額で固定資産を買っても、「耐用年数」が違うと毎年の税金が変わってくるという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

では、建物の耐用年数を見てみましょう。

 

建物はその構造によって耐用年数が違い、木造、軽量鉄骨造、重量鉄骨造、SRC造・RC造の4タイプに設定されています。自宅用の物件と賃貸用住宅物件でも耐用年数は違いますが、ここでは賃貸住宅用物件として説明を進めます。すると耐用年数は以下のとおりです。

 

・木造: 22 年
・軽量鉄骨造:27年
・重量鉄骨造:34年
・SRC造・RC造:47年

 

このように、同じ建物であっても、耐用年数には最大で2倍以上の開きがあります。

 

もっとも短いのは木造住宅です。木造であれば、建物の購入費は22年に分けて計上されますが、SRC造・RC造の場合、購入費をすべて必要経費として活用するまでに47年もかかってしまいます。

 

そう考えると、同じ購入費であれば、1年あたりに計上できる費用は、木造のほうが多いということ。つまり、耐用年数が残っている22年間のうちは、木造住宅のほうが有利ということになります。また、中古の木造物件を購入した場合は、さらに耐用年数が短くなります。計算の詳細は割愛しますが、たとえば耐用年数をすでにオーバーした木造アパートを1棟買った場合、耐用年数はなんと4年になります。

フリーライター

1981年、福岡県生まれ。西南学院大学商学部卒業。2004年に東京国税局の国税専門官として採用され、以後、都内の税務署、東京国税局、東京国税不服審判所において、相続税の調査や所得税の確定申告対応、不服審査業務等に従事。2017年7月、東京国税局を辞職し、フリーライターに転身。書籍や雑誌、Webメディアを中心とする精力的な執筆活動に加え、お金に関するセミナーも行っている。近著に『すみません、2DKってなんですか?』(サンマーク出版)がある。

著者紹介

連載「得なのはどっち?」難しい確定申告を分かりやすく解説

確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち? 元国税専門官が教える!

確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち? 元国税専門官が教える!

小林 義崇

河出書房新社

クイズ形式で出題。ベスト・チョイスはどっちか? 青色申告or白色申告。開業届を出すor出さない。家族を雇うorパートを雇う。iDeCo or小規模企業共済。郵送で申告or e‐Tax。国税専門官として数多くの申告相談に携わった著者…

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