旧正月明けを待っていよいよ大詰めを迎えた、商業ビル・ホテル・コンドミニアム併設の大型開発案件「Grand Marina Saigonプロジェクト」。国内外の投資家・不動産業界関係者たちは、このプロジェクトの現況を固唾をのんで見守っています。なぜならプロジェクトの背景には、ベトナムの法律が複雑に絡んだ、ビジネス上の厳しい事情があるからです。このプロジェクトの行く末は、ベトナム不動産市場の将来像となるかもしれません。現地で不動産ビジネスを展開する筆者が解説します。

曰くつきの「Grand Marina Saigonプロジェクト」

ベトナムは中華圏と同じく旧正月を祝う国です。休日が少ないなか、唯一長期休暇が取れる時期といってよく、国民が遠く離れた故郷へと里帰りするのが一大イベントとなっています。

 

そんな長い旧正月休みが明け、本格的に動き出してきたのが、都市鉄道METRO1号線のバソン駅に隣接する、商業ビル・ホテル・コンドミニアムを併設した不動産開発プロジェクト「Grand Marina Saigonプロジェクト」です。大変な注目を集めており、4月の販売開始を予定しています。

 

もしかすると、ベトナム不動産に興味のある方なら一度はこのプロジェクトの名称を耳にしたことがあるかもしれません。いろいろな「曰くつき」のプロジェクトです。

 

そもそもは、ベトナム不動産最大手のVINHOMESが2013年頃から手掛けたものでしたが、2017年頃に香港のAlpha King社にプロジェクトの半分以上を売却。その後、Vinhomes Golden Riverの隣に45階建ての「The Centennial Alpha King」を着工。2019年1月には、モデルルームも完成して、予約販売の準備を進めていました。

 

売出価格も、当時としては破格の平米単価1万米ドル超に設定されており、工事の進捗も順調でしたが、20階近くまで建設が進んだところ、突如プロジェクトがとん挫します。その後、2019年11月頃に現在のデベロッパーである、Masteri等を手がけるMASTERISEグループのMINH HUY LANDが購入し、現在のプロジェクトとなっています。

 

Alpha King社のとん挫の理由はいろいろと囁かれていますが、主たる理由は工事許可の問題だといわれています。とくに2018年頃から、プロジェクトに関する規制が強化されたことで、過去に遡った許認可関係の再審等々、外資企業には負担が大きかったと見られています。

 

(※ホーチミン市の風景/PIXTA)
(※ホーチミン市の風景/PIXTA)

 

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