「急騰株」どう判断する?冷静な判断をするためには…
急騰株の伸び切ったところはカラ売りのチャンスですが、伸び切ったかどうかは、どのように判断すればいいのでしょうか?
ストップ高をした銘柄が、翌日に安寄りしたのでチャンスと思ってカラ売りしたら、巻き返してその日はストップ高、翌日は寄り付きから値がつかずストップ高比例配分……などというのは、ありがちな話でしょう。
一度ストップ高をした程度では、新たな材料が出た場合などは止まらないケースも少なくありません。ちょっと見で、伸び切ったと思うのは危険極まりなく、テクニカル分析をして冷静に判断すべきなのです。
また、売り叩(たた)かれて底値圏に到達したような銘柄は、自律的な反発でもかなりの値幅を伸ばすこともあるので、こうした銘柄も避けたいもの。急騰株と言っても、その株価水準によって上がり方に違いがあります。
底値圏にある銘柄以外では、上場来高値を更新したばかりの銘柄もカラ売りするのは危険と言えるでしょう。
なぜなら、上場来高値ということは損した人がいないのとイコールで、戻り売りや投げ売りなど、上値を圧迫する要因がないので上がりやすいからです。こうした銘柄は、ある程度押すまでは見送ったほうが無難でしょう。
伸び切った、買われすぎた──これらの判断は、テクニカル分析にゆだねます。以下に、それらの判断基準を示しました。
●25日移動平均線から10%以上、上方かい離した
過去の株価の平均値である移動平均線から、大きく上に位置する場合は、修正(下がる)するケースが多くなります。短期売買の時は25日線からのかい離率を見るのが一般的です。
●押した幅の倍返しを達成した
たとえば、1000円で高値をつけた株が800円まで下落したあと、1200円まで上昇した場合など。下げ幅の倍返しはテクニカル的に警戒される水準です。
●上昇を続けているが商い(出来高)が減少した
商いがふくらんでいる間にカラ売りするのはリスクが大。一般的に、株価が上昇しながら商いが減ってきた場合は、株価が反落するサインとなります。
●急騰して前の高値に届いた途端、株価が伸び悩んだ
前の高値を形成した際に、出来高が膨張していた場合、ヤレヤレの売りなどで伸び悩み、なかなか高値を抜けないと、やがて反落するケースが多いのです。
●12連騰以上した
あまりないケースですが、テクニカル分析のサイコロジカルライン(上昇を1勝、下落を1敗とカウント、12日間の勝敗で分析)では12連騰は過熱感の極み。自律的な調整が見込めます。
こういた判断基準で、伸び切ったか、買われすぎかを判断します。
なお急騰株については、証券会社のホームページなどにある分析ツールを活用するといいでしょう。これを使って、前述のような条件を設定してスクリーニングすれば簡単に探すことができます。
たとえば、「25日移動平均線から10%上方にかい離」と打ち込めば、対象となる銘柄がズラリ並んで出てきます。かい離率については、慎重に15%と設定するなど、自分の見方によって数値を変えましょう。SBI証券のツールを例に具体的なスクリーニングの仕方を示しましたので参考にしてみてください(図表1参照)。