あなたの会社に「税務調査は絶対に来ない」という保証はありません。もしものとき、税務調査官からの「質問」にどう対応すべきかわかりますか? ここでは元審判官の筆者が、よくある質問を勘定科目ごとに解説します。今回のテーマは「交際費」「会議費」「旅費交通費」の3つ。性格が似つつも税務上の扱いが厳しい各費目について一挙解説します。※本連載は、尾崎真司税理士の著書『税務調査リハーサル完全ガイド(第2版)』(中央経済社)より一部を抜粋・再編集したものです。

出張や視察の旅費は「私用ではない」という証明が必要

税務調査官の質問④

「視察のための海外出張がありますが、視察報告書等はありますか?」

 

【調査官が知りたいこと】

1. 視察の実態を備えたものか?

2. 給与とすべき部分はないか?

<対応と対策>

1. 出張報告、視察報告書等を作成し、視察の実態があることを明確にしておく

 

⇒出張や視察等を行った場合には、税務調査において私的な旅行ではなかったかと疑念を持たれることがありますので、出張報告書、視察報告書等を作成し、その出張や視察が業務上のものであったことを明確にしておく必要があります。

 

特に役員の出張等については、報告書を作成していないケースも見受けられますので、少なくとも、日程、訪問先、訪問目的、成果等を明らかにしておかなければなりません。

 

2. 観光と業務を兼ねている場合は、行程表等により業務部分と私的部分を明確にし、会社負担と個人負担の費用を区分する

 

⇒観光と業務を兼ねている出張、視察である場合には、観光に要する費用は、あくまでも個人が負担すべき費用となりますので、会社が負担した場合には給与課税の問題が生じることになります。会社負担とすべき金額と個人負担とすべき金額を明確にし、個人負担とすべき金額はいったん立替金計上した上で、速やかに精算すべきでしょう。

 

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調査官の「質問」の意図を読む 税務調査リハーサル完全ガイド(第2版)

調査官の「質問」の意図を読む 税務調査リハーサル完全ガイド(第2版)

編:あいわ税理士法人

著:尾崎 真司

中央経済社

税務調査官の「質問」にどう応える? 国税不服審判所に勤務経験のある著者が解説! 自分の会社は税務調査の対象にはならない…そう油断してはいませんか。確かに調査の頻度に差はあるかもしれませんが、調査に来ないという…

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