あなたの会社に「税務調査は絶対に来ない」という保証はありません。もしものとき、税務調査官からの「質問」にどう対応すべきかわかりますか? ここでは元審判官の筆者が、よくある質問を勘定科目ごとに解説します。今回のテーマは「交際費」「会議費」「旅費交通費」の3つ。性格が似つつも税務上の扱いが厳しい各費目について一挙解説します。※本連載は、尾崎真司税理士の著書『税務調査リハーサル完全ガイド(第2版)』(中央経済社)より一部を抜粋・再編集したものです。

混同しやすい「税務上の交際費」「会計上の交際費」

税務調査官の質問①

「交際費勘定の金額と別表調整している金額が異なりますが、差異要因は何でしょうか?」

 

【調査官が知りたいこと】

1. 科目外交際費の有無は?

2. 取引先等との飲食代の処理は?

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

<対応と対策>

1. 交際費勘定以外の科目に含まれる交際費があるかどうかを確認する

 

⇒税務上、交際費は原則として損金不算入となります。税務上の交際費に該当する費用であっても、会計処理上は交際費以外の勘定科目で処理されているものも多くありますので、税務上の交際費の抽出漏れのないようにしなければいけません。税務調査においても、他科目で処理されているものが交際費に該当するか否かという点については、よく論点になる部分です。

 

確定申告時にまとめて抽出する作業は相当の労力を必要としますので、仕訳入力の都度、税務上の交際費に該当するかどうかの分別を行うことが得策です。

 

2. 1人当たり5,000円以下の飲食代の処理科目を明確にしておく

 

⇒得意先等、外部の者との飲食代で、1人当たりの単価が5,000円以下のものについては、税務上の交際費に該当しません。この場合、上記1.とは逆に、会計上は交際費として処理されますので、税務上の交際費からは除く必要があります。

 

なお、あくまでも外部の者との飲食代に限られますので、社内飲食代については上記の適用はありません。また、参加人数を水増しして、5,000円以下に該当するものとして処理することは、仮装隠ぺい行為に該当しますので、発覚した場合には重加算税の対象になります。

元審判官によるコーチング

重加算税と質問応答記録書

 

飲食に参加した人数の水増しは明らかな仮装行為に該当しますが、これは何を証拠に認定するのでしょうか?

 

社内のメール、レシート(これには人数の記載がある場合が多い)、飲食店に対する反面調査などが考えられます。そして、通常、重加算税を課すために、課税庁は「質問応答記録書」という書面を作成し、そこで不正をした従業員に「水増ししました」と証言をさせるのです。

 

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