あなたの会社に「税務調査は絶対に来ない」という保証はありません。もしものとき、税務調査官からの「質問」にどう対応すべきかわかりますか? ここでは元審判官の筆者が、よくある質問を勘定科目ごとに解説します。今回のテーマは「交際費」「会議費」「旅費交通費」の3つ。性格が似つつも税務上の扱いが厳しい各費目について一挙解説します。※本連載は、尾崎真司税理士の著書『税務調査リハーサル完全ガイド(第2版)』(中央経済社)より一部を抜粋・再編集したものです。
科目外交際費の「控除できない消費税」も忘れずに抽出
税務調査官の質問②
「交際費に係る控除対象外消費税はありませんか?」
【調査官が知りたいこと】
1. 科目外交際費に係る分を併せて、交際費に係る控除対象外消費税を計算しているか?
<対応と対策>
1. 交際費に係る控除対象外消費税の算定根拠を明確にしておく
⇒その課税期間の課税売上高が5億円超の場合や、課税売上割合が95%未満の場合は、納付消費税額の計算上、支払った消費税が全額控除できません。この控除できなかった金額を「控除対象外消費税」といい、会計上は雑損失等の費用科目で処理されます。
税務上は、控除対象外消費税のうち交際費に係る部分の金額は交際費として取り扱われ、法人税の課税所得の計算上、損金不算入の対象になります。交際費勘定に計上されている費用のみならず、科目外交際費に係る控除対象外消費税も忘れずに抽出する必要があります。
税理士
あいわ税理士法人 パートナー
元国税不服審判所国税審判官。1999年藍和共同事務所(現あいわ税理士法人)入所。2014年から3年間、国税審判官として国税不服審判所に勤務。大手・中堅企業への税務コンサルティング業務に従事。第41回日税研究賞【税理士の部】選考委員会賞受賞。
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