相場格言「天井三日、底値百日」が意味すること
株式の世界では、いろいろな相場格言があります。その多くは江戸時代に盛んだった米相場で生まれ、現在まで引き継がれたものです。
ちなみに、江戸時代に大坂の堂島市場で行われた米相場では、世界で初と言われる先物取引が行われていたのですから、そこから考えてみると、「日本人は相場に強い」「相場観がある」と感じるのですが、いかがでしょう?
そのような歴史がある相場格言には、昔の人の知恵が詰まっています。実際にあった経験から生まれたものばかりなので、説得力があるのは言うまでもありません。そうした、たくさんある相場格言の中から、株価の動きをよく表わし、また、「カラ売り」が相場のテクニックとして大切と思わせるものを1つ紹介しましょう。
その相場格言とは、
「天井三日、底値百日」
これは、「株価が天井をつける本当に強く上昇する期間はほんのわずかで、残りの期間は株価の動きが弱く、調整期間が長い」ということを意味しています。
実際には、3日よりも上昇する期間は長かったり、一方で、底値圏に位置する期間は、100日よりも短い、あるいはそれ以上に長期化することもあります。いずれにしても、株価は低迷する期間のほうが長いため、信用取引において、買いで入るよりも、カラ売りのほうがチャンスは多いと見ることができます。
天井を形成するような上昇局面では、カラ売りをしていた人が焦って、買い戻しを急ぎ、結果として株価の上昇ピッチが速まることが多いのですが、急な上げでしんどい思いをしながらも、その苦しい短い時間を乗り切りさえすれば、長いチャンスが待っていることが多いのです。
ちなみに、大相場となった場合は、最後のひと噴きが上昇過程の中で最も大きな値幅になることが大半ですが、天井三日というのはこうした株価の性質も言い表わしています。