65歳以上の高齢者の主な死因として、「悪性新生物(がん)」、「心疾患」、「老衰」に続く第4位にあげられるのが「脳血管疾患」です。生活習慣が原因の発症が多く、初期症状に気づくことができれば重症化を防ぐことができます。今回は医師である梶川博氏・森惟明氏が、「脳血管疾患」の検査方法について解説していきます。

脳神経内科と脳神経外科、どちらも診療する必要がある

神経内科と脳神経内科は同義語ですが、その使い分けは判然としていません。診療科としての標榜科名は神経内科が定着していますが、近年、脳神経内科を標榜する医療施設も出てきています。本記事では、脳神経外科と対比する意味から脳神経内科の方を用いることにします。

 

なお、脳神経内科も神経内科も英語ではともにNeurology(ニュロロジー)といい、専門の脳神経内科医はNeurologist(ニューロロジスト)といいます。脳神経内科は脳や脊髄、神経、筋肉の病気を診る内科です。体を動かしたり、感じたりすることや、考えたり覚えたりすることが上手にできなくなったときにこのような病気を疑います。

 

症状としてはしびれやめまい、うまく力がはいらない、歩きにくい、ふらつく、つっぱる、ひきつけ、むせ、しゃべりにくい、ものが二重にみえる、頭痛、勝手に手足や体が動いてしまう、ものわすれ、意識障害などたくさんあります。

 

具体的には、頭痛、脳卒中、脳炎などの中枢性感染症、認知症、てんかん、パーキンソン病、神経難病といった超急性期から慢性期疾患まで多岐にわたる病気を診療しています。

 

日本では脳卒中は死因としては第3位から第4位となりましたが、特に脳梗塞を発症する人は増加傾向にあることから依然として国民病であることには変わりありません。ただ脳卒中に関しては、脳神経外科が扱う疾患であるとの印象が強く、「手術適応がないので内科的に治療させていただきます」と説明すると、患者さんやその家族から複雑な表情をされることも以前はよくありました。

 

しかし、脳梗塞発症4.5時間以内に投与できるrt-PAをはじめとする強力な内科的治療が徐々にでてきたため、脳神経内科のイメージがすっかり変わりました。脳卒中の中でも手術適応のない脳出血は当然ながら脳神経内科医が診療し、患者さんや家族の方の中に疑問を持つ人はいなくなっています。

 

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脳梗塞に負けないために 知っておきたい、予防と治療法

脳梗塞に負けないために 知っておきたい、予防と治療法

梶川 博 森 惟明

幻冬舎メディアコンサルティング

高齢になるにつれて発症のリスクが高まる脳梗塞。 国民病ともされる脳梗塞の種類や予防法、治療法を知ることで、ならない工夫、なってからの対応を身に付けましょう。 「三大疾患に負けないシリーズ」第1弾!

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