65歳以上の高齢者の主な死因として、「悪性新生物(がん)」、「心疾患」、「老衰」に続く第4位にあげられるのが「脳血管疾患」です。生活習慣が原因の発症が多く、初期症状に気づくことができれば重症化を防ぐことができます。今回は医師である梶川博氏・森惟明氏が、「脳血管疾患」の検査方法について解説していきます。

専門医は脳梗塞をどのように診断するのか?

問診や診察で脳梗塞が疑われるときには、診断を確定するために脳画像診断を行います。脳梗塞の画像診断には、CT、MRIやMRAなどの種々な検査があります。急性期においては、CTでは脳出血を否定できても梗塞の有無ははっきりしないことも多いのです。

 

脳出血を否定できても、梗塞の有無ははっきりしないことも… (画像はイメージです/PIXTA)
脳出血を否定できても、梗塞の有無ははっきりしないことも…
(画像はイメージです/PIXTA)

 

これに対してMRI、特に拡散強調画像(diffusion weighted image:DWI)では確実に診断可能ですし、同時に行って血管を診断するMRAは閉塞血管の特定に有用です。

 

[図業1]CT・MRI

 

上記は、60代女性の症例です。受診当日の朝は普通でした。踊りの稽古に行く予定だったが、遅いので友人が9時に電話をしたところ、会話は普通でした。稽古場に来たときには会話がかみ合わず、当院を受診。来院時、質問に対して「よく分からない」を繰り返す。歩行はややふらつきがあるが、自立していました。

 

単純CT:異常なし。頭部MRI:左側頭葉に拡散強調画像(DWI)高信号域を認めた。MRA:左中大脳動脈(M1部)の閉塞があるが、末梢は部分的に描出されていた。発症後4.5時間以内であったのでrt-PA点滴静注を開始した。その後、同部(左M1部)はほぼ正常に開通した。

 

[図表2]MRA比較画像

 

さらに、これらの検査に脳潅流画像(Perfusion Imaging)を併用することで、梗塞になってしまう脳の範囲を予測することが可能です。太い血管が詰まったと考えられる場合、さらに脳血管撮影が必要になることがあります。

 

続いては80代女性の症例です。

 

[図表3]脳梗塞のMRAと脳潅流画像

 

構音障害、右口角下垂、右上肢脱力で救急搬送。左中大脳動脈閉塞(矢印)と左大脳半球の潅流不良が認められる。左図:MRA、右図:脳潅流画像(MTT/平均通過時間;左大脳(向かって右側)の白く見える部位の血流が遅い。)(カラー表示では赤く見える。)

 

全身検査として、血液検査で動脈硬化の原因となる高血圧や糖尿病、脂質異常症(コレステロールや中性脂肪が高いこと)はないかを調べた。不整脈はないか、心臓や頸動脈に剥がれて飛んでいくような塞栓源がないかなどを、心臓や頸動脈の超音波(エコー)検査、経食道超音波(エコー)検査、心電図検査などを行って調べます。

 

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