新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、窮地に立たされている中小企業。そこで注目されているのが、3月に公募開始のアナウンスがされている「事業再構築補助金」です。今回は企業再生のスペシャリストである坂本利秋氏が、申請の際に肝となる「申請代行業者の選び方」について解説します。

ポイント2:赤字の企業を黒字化させるノウハウ、経験

これまでのビジネス系の補助金は、黒字の会社がさらに成長するためのものが大半です。資金繰りに関しても、自己資金でも投資できる余裕があるけれど補助金がもらえればラッキーという企業向けばかりでした。申請代行も、黒字で資金的余裕がある会社がこの補助金でさらに成長しますという主旨で申請書を作成することになり、この分野での経験を積んでいくわけです。

 

ところが、今回の事業再構築補助金は以前とはまったく違います。新型コロナにより従来のビジネスモデルが大きく毀損した、もうこれ以上はだめだという深刻な赤字企業を主なターゲットにしています。従来の補助金が、黒字で資金的余裕のある企業向けであったのに対し、再構築補助金は赤字で資金余裕がない企業向けなのです。

 

対象と目的が異なる以上、従来のノウハウは一気に陳腐化してしまいます。よって、赤字企業を黒字化させることができるノウハウが必要です。言い換えれば、企業再生ノウハウが申請代行には求められます。

 

ビジネス系の補助金は中小企業診断士が主な支援の担い手となりますが、多くはこの企業再生について経験、ノウハウを有してはおりません。この事業再構築補助金の申請代行としては、中小企業への経営支援と補助金支援の経験が豊富で、企業再生ノウハウがある中小企業診断士が中心的な役割を果たすのだと思います。上の経営者へも、最終的には企業再生経験が豊富な中小企業診断士を紹介しました。2月に入り、この手の相談が急激に増えてます。再構築補助金は経営者にとって申請するか否かという段階から、どうやっていつ申請するかという段階に進んでいるようです。

ポイント3:補助金申請の実績とアフターフォロー

これは言うならば当たり前の品質で、補助金代行を行う認定支援機関であれば大外れは無いはずです。確認の仕方ですが、最も一般的な補助金であるものづくり補助金の採択実績を聞きましょう。

 

ポイントは採択率と採択件数です。採択率ですが、ものづくり補助金で最低でも60%以上の実績は欲しいところです。申請代行を得意としている機関であれば、70%は超えてくるはずです。なお外部支援がなくとも40%程度が採択されるようです。採択数は10件以上でしょうか。10件あれば、特定の業界に偏らず、ある程度応用が利くと推測されるためです。

 

この事業再構築補助金は申請代行機関へアフターフォローも求めらています。過去のビジネス系補助金では申請支援まで行い、採択された後は、企業に丸投げも多かったのですが、この補助金はアフターフォローも求めています。この点も支援内容に入っていることを確認してください。

次ページ申請代行業者選び…ポイント4つめ、5つめ

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録