日本は「乳がん検診」後進国
国立がんセンターによれば、早期の乳がんは自覚症状がないことが多いのが特徴。しこりや乳房のひきつれ、乳頭から血性の液が出るなどの症状がある場合は、すぐに医療機関を受診する必要があります。
一方で、乳がんの死亡率を減少させると科学的に言われているのが「乳がん検診」。乳がんは他のがんに比べて進行が遅いことが多く、約1cmの大になるのに10年近くかかると言われ、早期発見すれば、その後の10年生存率は9割以上となっています。
乳がん検診として、国が推奨している検診方法は「乳房X線検査単独法」、いわゆるマンモグラフィです。乳房を片方ずつプラスチックの板で挟んで撮影するもので、小さいしこりや石灰化を見つける検査です。圧迫時間は数十秒ほどですが、痛みから、検診自体を拒む女性も多いのが現状です。
また被ばくが怖いと避ける人もいますが、1回の撮影で乳房が受ける放射線量は、0.05~0.15ミリシーベルト。1年間に受ける自然放射線量は約2.4ミリシーベルトで、はるかに低いものです。ほとんど健康被害はないとされています。
また科学的根拠から、多くの先進国でマンモグラフィーが推奨されていますが、日本での受診率は先進国で圧倒的に少ないと言われています。他の先進国では羅患率は増加しているにも関わらず、死亡率減少しています。日本だけが乳がんの死亡率は上がっているのは、検診率の低さも一因と考えられています。
さらに、昨年、突如として全世界を襲った新型コロナウイルス感染も、検診率を下げていると言われています。厚生労働省『国民生活基礎調査」(2019年)』で都道府県別に検診受診率を見ていくと、全国平均は37.4%。最も受診率が高いのが「宮城県」で50.8%。「山梨県」「山形県」「千葉県」「沖縄県」と続きます。一方で最も受診率が低いのが「山口県」で26.8%。「長崎県」「北海道」「島根県」「和歌山県」と続きます(図表3)。
乳がん検診は2年に1度定期的に受診することが推奨され、毎年受診した場合とほぼ同様の有効性が示されています。検診は会社で行われる場合のほか、健康増進法第19条の2に基づく健康増進事業として市町村でも実施しています。定期的に検診を受診して、自身の健康を保っていきたいものです。
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