家族の死後に慌てても、時すでに遅し。相続対策に求められるのは何よりも「早め早めの準備」です。

息子「ファミレス建てたい」母親を納得させた手段は…

■成年後見監督人を動かすためにはテクニックが必要となる

 

そのため、是が非でも、成年後見監督人の同意を得たいのであれば、成年被後見人にはできるだけリスクを負わせないような形で、不動産の有効活用を図る必要があります。

 

そのような観点から例を一つ紹介しましょう。そのケースでは、亡くなった夫の土地等を息子とともに相続した妻が、成年被後見人になっていました。

 

依頼人である息子は相続した土地の上にファミリーレストランの店舗を建てて有効利用することを望んでいたので、その店舗の建設費用等は母親に一切負担させない仕組みを考案しました。

 

具体的には、まず、土地が二人の共有状態となって土地を分割し共有していたのを解消しました。そして、ファミリーレストランの店舗が建つところが息子のものに、また駐車場となるところが母親のものになるように分けました。

 

そして、店舗、駐車場それぞれの土地について、息子と母親が別々に賃貸借契約を結べるような形に整えていきました(賃貸収入として、息子には100万円、駐車場収入として母親には50万円が入る計算でした)。

 

この例のように、成年被後見人にとっては経済的な負担がなく、収入が増えるだけの仕組みを作り上げることができれば、成年後見監督人の同意を得られる可能性が高まるはずです。

 

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本記事は、税理士法人土田会計事務所の土田士朗著『地主のための相続対策』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。最新の税制・法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

地主のための相続対策

地主のための相続対策

土田 士朗

幻冬舎メディアコンサルティング

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