税務調査官「なんでそんなにお金が少ないんですか?」
■包み隠さず話しておけば税務調査への対応もスムーズになる
また、依頼人から、第三者には隠しておきたいと思うようなことでもしっかりと伝えておいてもらうことは、税務調査への対策を考えるうえでも非常に重要となります。
たとえば、マンションやアパートを経営しており相当の不動産収入を得ているはずなのに、どういうわけかほとんど預貯金がないという人がいます。
このような状態で、仮にその人が亡くなった後、相続人が、「預貯金は500万円しかない」などと申告すれば、まず間違いなく、なぜそんなに少ないのかと税務署から怪しまれることになります。いったん怪しいと思われたら、徹底的にすべてを疑われる、つまりは痛くもない腹を探られることになりかねません。
「お金の管理がしっかりとできていない=まともなわけがない=脱税をしているのでは?」というのが税務署的なものの考え方なのです。
あらぬ疑いをかけられたくないのであれば、なぜ預貯金がほとんどないのか、その理由を明らかにする必要があります。
もしかしたら、父親がひそかに交際していた女性に後先考えずにお金を渡していたために、手元からなくなってしまったのかもしれません(実際にあった話です。相続人である息子さんは、父親が女性に渡していたお金の額をしっかりと記録していました)。
そのような事情があるのであれば、税務調査の際などに税理士が調査官に説明する、もしくは書類添付の添付書面に書き添えることで、脱税の疑いを避けることが可能となります。
しかし、「恥ずかしいから隠しておきたい」とかたくなに”真実“を隠し通されてしまっていては、税理士としては何の手の打ちようがなくなるのです。
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