間口が7cm足りず…「再建築不可物件」として安値売却
【事例3】間口が2m欠けている土地の取引
その土地の上に建物を建築するには、建築基準法によって認められた道路に2m以上接しなければなりません。私たちが仲介したケースで、路地上の土地で間口が2mに7cm足りない土地がありました。
都内の閑静な中級住宅地で、人気のある私鉄沿線の駅から徒歩10分以内の立地で、間口の問題を除いては、取り立てて難のない物件でした。この7cmの長さは、塀の厚さより短い長さでしたので、一方の隣地所有者に幅7cm分で奥行き15mの土地を売ってもらえないか交渉しました。その面積は約1m²にすぎないのですが、売ってもらえないと、再建築不可の物件ということで値段が大幅に下がってしまうので、所有者とも相談して、300万円という価格を提示しました。この価格は坪当たりでは相場の倍以上の価格でしたが、売ってもらえませんでした。
その理由は、過去にその隣地所有者とトラブルがあり、感情問題があったため、価格のいかんにかかわらず売りたくないということのようでした。
そこで、やむを得ず、再建築不可物件を前提として買取業者に安く買ってもらいました。あとで、その買取業者は、その物件を挟んで、反対側の隣地所有者に7cm幅の譲渡をお願いして取得できましたが、なんとその価格は1,000万円だったそうです。
非相続人でも財産の相続が認められる「特別縁故者」
【事例4】相続人不存在をめぐって…
相続人が存在しない場合、相続人不存在のまま亡くなった人(被相続人)の財産は民法により相続財産法人とされ、家庭裁判所から選任された相続財産管理人(多くの場合、弁護士で、司法書士の場合もある)が管理し、不動産の場合は、家庭裁判所の許可を得て売却し、売却代金を国庫に納めます。
その際、被相続人の療養看護に努めたということで、相続人でない場合でも、特別縁故者と家庭裁判所から認められれば、相続財産をもらうことができます。
私たちが、相続財産管理人から売却の仲介の依頼を受けたケースで、被相続人の相談に頻繁にのっていたことが評価されて、特別縁故者と認められたものもあれば、間借人が、特別縁故者である旨の主張をしたものの、同じ屋根の下にいながら、被相続人の死亡を発見したのは訪問介護の人であったこと等から認められなかったケースもあります。
また、被相続人から、自分が亡くなったら財産をあげるといわれた人が複数登場し、遺言書はないかというので、その人達に3時間遺言書をさがす時間を認めるからさがしてくださいということで、相続財産管理人と対象のマンションの部屋で待機したケースもあります。このケースでは結局、遺言書は出てきませんでした。
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