
不動産売買の際に生じる様々な決済不可理由。これらをどのように防止すればよいかを株式会社共信トラスティ代表取締役である土屋忠昭氏が解説します。
代金支払、物件引き渡し、登記移転時に…
不動産売買の決済時のことについて確認しておきます。
決済とは、不動産取引で、買主が代金全額を支払い、売主が物件を買主に引き渡すとともに、所有権を買主に移転し、登記名義を買主に変更することです。
この決済時に注意すべきは、不動産取引は全て現金または銀行振込による一括支払いで、買主の代金の支払いと売主からの物件の引き渡しおよび登記名義の買主への変更は同時履行(引換給付)が原則とされているところです。
不動産取引では、代金の後払い、あるいは、登記移転は後で、という信用取引はありません。
そこで、決済時点で、即、登記名義を変更できる書類(登記済権利証あるいは登記識別情報、売主の印鑑登録証明書、実印を押印した登記原因証明情報等)を一つ残らずそろえることが不可欠なのです。

決済時にトラブルが起こりやすいのは、これら書類に関するものです。書類のいずれかと、実印を決済場所に持っていくのを忘れるケースがあります。これから述べることは、いずれも実際にあったことです。
ゴミが必要だった⁉ 実際の「酷すぎるトラブル」4つ
1 権利証の間違い
まちがえて取引物件とは別の不動産の権利証を持ってきたケースがありました。
2 実印の間違い
ご主人が決済の場所に奥様から渡された実印を決済場所に持ってきたが、その実印は奥様の実印であったケースがありました。
3 移転登記できない
売主が決済に備えて実印のゴミをとったら、元々の印鑑登録証明書の印影にゴミがついていたものだったため、印影と実印が合致せず、登記手続を受任していた司法書士から移転登記できないといわれたケースがありました。
4 名義の不一致
売買物件の登記名義と印鑑登録証明書の名義が一致していなかったケースがありました。具体的には、戸籍上の名はアイであるが、売主が「子」がついていない名前はいやであるということで、売買物件購入時の住民登録をアイ「子」という名前で登録し、不動産登記もアイ「子」としたために起こったのです。
以上のいずれのケースも、決済するためにはどうにか解決しないといけません。1と2については、本来の権利証、実印を用意してもらい、3については、その日のうちに印鑑登録をゴミを除いた実印で改めて行ってもらい、4についてはアイ「子」では戸籍上も住民登録上も存在しないので、改めて正しい証明書を急いで取ってもらい、無事予定日に決済を完了しました。
これらの異常事態に対応することも宅建業者の責務であると思いますし、このような事態が生じないように私たちは、決済取引案内に決済時に売主、買主に用意してもらうべきものをリストにして示しています。
口頭のみによる伝達だけは絶対しないように心がけています。
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