近年、巨大IT企業の株価は、業績とはかけ離れた水準で大幅に上昇を続けています。しかし、株式会社エー・ディー・ワークスの小川謙治氏によると「将来的に企業業績がこれらの株価に追いつけば問題ないが、長期金利上昇等のきっかけで弾けてしまうと、現在のバブルのような状況が崩壊することになりかねない」とのこと。巨大IT企業の株価暴落の可能性について見ていきましょう。

移民減、在宅勤務…「シリコンバレー住宅価格」が下落

それでは、シリコンバレーの中心地であるパロアルト市における戸建て住宅中間価格の推移を見てみましょう(図表2)

 

(出所:MLS)
[図表2]シリコンバレー中心地のパロアルト市における、戸建て住宅中間価格の推移 (出所:MLS)

 

2018年をピークに弱含む傾向となっています。筆者は、以前より巨大IT企業価値との相関関係があると考えていますが、2019年以降からその関係が崩れ出した可能性があります。

 

はたして、不動産価格の動きが株価のそれを先取りしたのでしょうか? きっかけはいろいろな要素が積み重なったと思われます。まず考えられるのは、トランプ政権による中国・インドからの移民労働者流入の鈍化、そして、新型コロナ禍におけるIT企業群による全面在宅勤務への移行です。

 

すべてのIT従事者がシリコンバレーにある本社に通勤する必要がなくなり、高い家賃を回避して近郊・他州の街へ移住した可能性です。

 

それを後押ししたのは、史上最低の住宅ローン金利です。ミレニアル世代である若い労働者はこの低金利時代をとらえて都心での賃借をあきらめて郊外に戸建てを購入しだしたのかもしれません。

 

現に郊外の住宅価格が上昇する一方、サンフランシスコ、サンノゼ、シアトル、ボストン、ニューヨーク等の都心アパートの家賃が大きく下落しております。この動きが新型コロナ収束後も持続するのかどうかは何とも予想がつかないというのが、筆者の正直な考えです。

 

(本記事の内容は筆者個人の分析・見解です)

 

 

小川 謙治

株式会社エー・ディー・ワークス

金融商品開発部 ディレクター

 

関連記事

 

 

2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」

 

■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ

 

■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録