「人生100年時代」といわれています。22歳から65歳まで現役で働いていた時間よりも、定年後の時間のほうが長いのです。定年後の避けては通れない課題は「お金」「健康」「生きがい」。これが定年後の3大リスクです。この「3大リスク」をうまくクリアできれば、第二の人生をバラ色にすることがきます。本連載は長尾義弘・福岡武彦著『定年の教科書 お金 健康 生きがい』(河出書房新社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

孤独は幸福感や充実感、健康にまで影響をおよぼす

「老後が不安」は

「お化けが怖い」と同じ

 

生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」(2019年)によれば、84.4%の人が老後生活に不安をもっています。男性は81.9%、女性だと86.4%という結果になっています。平均寿命が長いせいか、女性のほうが不安に思っているようです。

 

メットライフ生命の「老後を変える全国47都道府県大調査」(2019年)では、81.5%の人が老後に不安を感じていて、その不安の中身は、1位が「お金」、2位が「健康」です。

また、セコムの「老後の不安に関する意識調査」(2018年)では、不安を感じている人は87・2%となっています。こちらは「病気やケガなどの健康不安」が1位、「経済的な負担に関する不安」が2位でした。

 

前述したBIGLOBEのアンケートでも、約8割の人が不安を感じており、「お金」「健康」「介護」などを挙げています。

 

どの調査も似たような結果です。ここからわかることは、ほとんどの人が老後に対して不安を抱いていること。そして、不安の大きな要素は「お金」と「健康」であることです。

 

では、どうして不安を感じるのでしょう。

 

私は「老後の生活がイメージできていないから」ではないかと思います。現役時代は、会社にいってあれとこれをやって、来年は息子が受験だから準備をして……と、だいたい想像がつきます。しかし、80歳、90歳になった姿は、なかなか想像しにくいですよね。

 

正体がわからないから怖いのです。それは「お化けが怖い」と同じ感覚ではないでしょうか。「あそこで揺れているのは木の枝だ」とわかれば、恐怖は消えます。

 

つまり、老後の正体を知る、イメージすることができれば、怖くなくなるのです。

 

そのためには、老後生活の「可視化」が必須です。先々がイメージできるので、どうしたらいいのかが見えてきます。とくに、お金は可視化しやすい分野です。

 

不安がるばかりで問題を先送りにしても、何の解決にもなりません。それどころか、老後生活を悪化させかねないのです。

 

避けて通ることができない道なら、早めに手を打っておくのが得策です。

 

お金と健康だけではダメ。

「生きがい」も大切です

 

定年後は、お金と健康、命のバランスを取りながら生活していくことが大事です。

 

そして、もうひとつ。忘れてはならない重要なポイントが「生きがい」です。

 

老後生活では「孤独」が大きな問題となります。孤独は、幸福感や充実感、健康にまで大きな影響をおよぼすのです。

 

「お金」「健康」「生きがい」の3つが、老後生活をバラ色に変えるキーワードといっていいでしょう。

 

 

 

長尾 義弘
ファイナンシャルプランナー
AFP
日本年金学会会員

 

福岡 武彦
1株式会社ライフエレメンツ代表取締役
税理士

 

 

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長尾 義弘 福岡 武彦

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