緻密なリスティング広告で売上を倍増させる方法
集客増ではなく売上増をゴールにしなければならない
次もやはり小規模な会社の例です。家具の販売代理店をしている会社がウェブサイトを新設し、販売会の集客を伸ばすことでやはり月間の売上額が跳ね上がりました。
全国各地で開催されるこの販売会は、主催するメーカーが製造する家具がずらりと展示される大規模なものです。事前に申し込んで受け取った招待状があれば、一般のお客様も無料で入場できます。会場では家具店の販売員がブースで待機し、自分のところで送った招待状を持つお客様を案内し、商品が売れればその店の売上となります。
この家具店も申し込みがあった人に招待状を送っていました。以前からあったサイトはほかの代理店が広告を運用していましたが、結果が伸び悩んでいたので告知用のサイトを新しく制作しました。リスティング広告で誘導した訪問者に販売会で展示される商品を紹介し、バナーをクリックすれば招待状を申し込めるようになっています。
それまでの販売会では招待状を送った相手のうち何割程度が来場し、商品を購入するのはそのうち何割で、1件当たりの平均購入額はいくらというデータがありました。その数字をもとに、設定した売上目標から逆算して招待状を発送する目標数を決めました。
新しいサイトでの招待状の申込率は大きく伸びて、販売会が始まると会場には今までになかった多数のお客様がやってきました。その結果、売上は大幅に伸び、接客が間に合わなくなり来客数に対する成約率が下がってしまったほどです。
その後も購入者データをもとに、どの地域からの来訪者は購入率が高いかを調べ上げ、その地域では広告をほかよりも多く出すなど緻密な運用をしていき、売上高は毎月上昇しています。
通常の広告代理店だと、ウェブで問い合わせを受け付けるところまでで終わりです。これだけ申し込みがありましたと報告し、いくらかかりましたと請求したら任務完了です。でもクライアントにとってのゴールは売上です。ですから売上目標を聞いて、そのためにウェブでどれだけ集客するか、招待状は何枚送らなければならないかを考えます。
さらに売上拡大に向けた最適なマーケティング活動を追求していくと、人員計画や販売戦略にも関わっていきます。ウェブの世界にこだわることなく、そこから外に出てリアルな世界にまで手を広げていくことになるのです。
なぜウェブマーケティングが武器になるのか
ITと通信技術が発達したおかげで、ウェブという新しい世界が誕生しました。これまでになかったような速さで大量の情報をやりとりし、それをさまざまな角度から分析して利用することができます。
ウェブマーケティングも、その恩恵を被っています。広告を発注すればすぐにプロモーションを始めることができ、その結果もすぐに出るというスピード感は、ウェブならではの強みです。
ウェブ広告は、パソコンやスマートフォンなどを通じて想定したターゲット層にダイレクトに届きます。特にスマホユーザーの中心である十代から二十代の若年層へのプロモーションは、ウェブマーケティングなしに考えられません。
その世代よりも年齢が低い子供向けの商品やサービスは、実際の購入者となる親がターゲットとなります。一方、高年齢層はこれまでウェブマーケティングの弱点と見られてきましたが、すでに六十代はウェブを使うことに慣れている世代になっています。