「一階がRC造」「二、三階が木造」…強度はどうなる?
ハイブリッド住宅を建てるときには通常、下層階となるRC造部分を先に造ります。鉄筋を組み、型枠にコンクリートを流し込み固めるという工法はRC造住宅とまったく同じです。そうしてRC造の部分ができあがったら、その上に木造部分を組み立て、金具やボルトを使ってRC造部分と接合します。
この「接合」という言葉に不安を感じる人が多いのですが、まったく心配はありません。一般的な木造住宅でも、コンクリートで造られた基礎部分に木造部を金具やボルトで接合して建てられますから、仕組みとしてはほとんど同じです。さらに、基礎の種類としては「ベタ基礎」に該当しますから、しっかりと上層階を支えることができます[図表2]。
また、重さは建物の強さにつながりますから、一階がRC造で二、三階が木造というハイブリッド住宅は、同じ構造の木造住宅に比べ強い家になります。耐震性や耐火性が優れたコンクリートをうまく住まいに取り込むことで、災害に強い家を造ることができるのです。
■一階がRC造なら土砂災害の被害を軽減できる
2014年に広島で発生した土砂災害は多くの被害を生み出しました。この例に限らず、近年は台風やゲリラ豪雨によって各地でがけ崩れが発生しています。
土砂災害では、特に住宅の一階部分が大きなダメージを受けます。そのため、自治体のなかには、家の建て方を規制する「がけ条例」を定めているところが少なくありません。条例はいずれも、万が一がけが崩れても安全に暮らせるよう対策を求めるものであり、擁壁の設置や建物の堅牢性を家を建てる際の条件としています。
一方で、がけ下の土地には危険が伴うものの、比較的安価で購入できるというメリットもあります。傾斜のある土地の場合も多く、来るべきリスクにしっかりと備えておけば、眺望の良い暮らしが手に入り「お買い得」となるケースもあるのです。その対策の一つとして「一階をRC造にする」という方法があります。たとえがけが崩れてきても、一体成形されている強固なRC造住宅なら、被害を食い止めることができます。実際、多くの自治体で建築の認可が受けられます。
しかしその場合、土地の強度に注意しなければなりません。RC造にすることで駆体の重さが増すため、地盤改良が必要になる場合があります。また、RC造を多く手掛けている住宅建築事業者でなければ、耐久性のある家を建てられないこともあります。
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