リタイアメント世代(65~79歳)の資産形成戦略においてもなお、「年齢」は外せないポイントになります。年金受給者という括り方をしていても、60代半ばと70代後半とでは健康状態に大きな差があるため、同一には語れません。本記事ではリタイアメント世代の運用戦略について考察します。資産運用会社のアライアンス・バーンスタイン株式会社で運用戦略を行う後藤順一郎氏が解説します。
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退職後の運用戦略は「取り巻く環境」次第
基本戦略は前述のとおりですが、大事な点は、この局面は人によって取り巻く環境が大きく異なるため、それらを考慮した資産運用戦略を構築すべきという点です。
例えば、65歳以降も働き続けている場合には、まだ人的資本が存在しますから、市場変動リスクの高い株式の比率を高めて、高いリターンを目指すことができます。
また、企業年金や個人年金があり、公的年金と合わせて相応の額を受給できる人ももっと市場変動リスクをとって、高いリターンを狙うことができます。
逆に、すでになんらかの深刻な持病がある人は近い将来に医療費の支払いがあるかもしれず、市場変動リスクは抑えたほうがよいでしょう。
退職金という大金を手にした人は、ついついそれを元手に大きくもうけることを考え、金融機関もその顕在化しているニーズに応えるために、短期的に値上がりしそうな株式や投資信託を提案しがちです。
しかし、その人や家族にとって大事なのは、短期的なもうけではなく、その人のライフスタイルや健康状態を踏まえた長期の運用戦略を策定し、実践することです。といっても、この重要性に気づいている投資家も多くはないでしょう。
金融機関には、この潜在的なニーズを顕在化させ、適切な運用を促すことが求められていると思います。
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アライアンス・バーンスタイン株式会社
運用戦略部マネジング・ディレクター 兼 AB未来総研所長
慶應義塾大学理工学部 非常勤講師
2006年4月に入社。現在、マルチアセット戦略のプロダクト担当。また、DC・NISAビジネスの推進及びAB未来総研にて顧客向けソリューション/リサーチ業務も兼務。
入社以前はみずほ総合研究所株式会社(みずほフィナンシャルグループから出向)に勤務、主として企業年金向けの資産運用/年金制度設計コンサルティングに従事。
共著書に「年金基金の資産運用-最新の手法と課題のガイドブック-」(2004年、東洋経済新報社)、「企業年金の資産運用ハンドブック」(2000年、日本法令)、「The Recent Trend of Hedge Fund Strategies」(2010年、Nova Science Pub Inc, 2010)。
論文に「ヘッジファンドのスタイル分析-ファンドオブヘッジファンズの超過収益獲得能力の推計-」(2007年、日本ファイナンス学会第15回大会)、「これだけは押さえておきたい資産形成のポイント」(2011年、投資信託事情)、「行動ファイナンスから見た“マーケットとの付き合い方”」(2012年、投資信託事情)、「基礎から分かるターゲット・イヤー・ファンド」(2014-2015年、ファンド情報)など。
1997年に慶應義塾大学理工学部管理工学科にて学士号、2006年に一橋大学大学院国際企業戦略研究科にて経営学修士号(MBA)取得。
日本アクチュアリー会準会員、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、国際公認投資アナリスト(CIIA)、1級DCプランナー、慶應義塾大学理工学部非常勤講師
著者登壇セミナー:https://kamehameha.jp/speakerslist?speakersid=7
著者プロフィール詳細
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