
長い老後生活を安心して送るには、資産形成が不可欠です。しかし、その実現にはさまざまなリスクが付きまといます。市場変動リスクをはじめ、貯蓄不足リスク、長生きリスク、インフレ・リスク…。本記事では、老後の資産管理にとって最も考慮すべき「長生きリスク」の対処法を考察します。資産運用会社のアライアンス・バーンスタイン株式会社で運用戦略を行う後藤順一郎氏が解説します。
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4人に1人は、男性なら91歳・女性なら95歳まで生存
長生きリスクとは、定年退職後の資産の引き出し局面において、亡くなる前に資産が底をついてしまうリスクを意味します。特に、日本人の寿命は着々と延びており、このリスクは次第に大きくなってきています。
実際、2020年7月末に公表された19年の簡易生命表では男女ともに平均寿命の最高値を更新しており、男性の平均寿命が81.41年(18年は81.25年)、女性の平均寿命が87.45年(18年は87.32年)となりました。
平均余命も平均寿命と同様、着々と伸びており、65歳男性の平均余命(ここでは65歳+平均余命で表記)は85歳、女性は90歳になっています。
これは、65歳の男女の2人に1人がこの年齢までに亡くなることを意味しますが、逆に言えば、2人に1人はこの年齢よりも長生きします。つまり、平均余命で老後の資金計画をすると、2人に1人は平均余命以降は資産のない生活を送ることを余儀なくされることになります。
これを避けるには、もっと高齢まで生きる確率を考慮しなければなりません。仮に4人に1人の確率まで考慮すると、男性は91歳、女性は95歳まで生存します。男性であっても結婚している場合には、妻が95歳になるまでの30年間を想定したプランを立案したほうがよいでしょう。
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