
ある日突然、老親が緊急搬送で入院という事態が起こります。介護は毎日のことなので、使命感だけでは長続きはしません。10年以上、仕事をしながら父母の遠距離介護を続けてきた在宅介護のエキスパートは、「介護する人が幸せでなければ、介護される人も幸せにはならない」と訴えます。入院や介護に備え、知っておきたい制度やお金の話から、役立つ情報、具体的なケア方法までを明らかにします。本連載は渋澤和世著『親が倒れたら、まず読む本 入院・介護・認知症…』(プレジデント社)から抜粋し、再編集したものです。
200床未満の入院設備のある病院をチェック
高齢者になると高まる入院リスク
あまり想像したくないことかもしれませんが、“自宅や外出先で親が突然倒れて救急搬送”というケースだけでなく、高齢になると軽い気持ちで診察にきただけなのに急に入院となることがあります。尻もちをついたら圧迫骨折していた、車いすからずり落ちたら大腿骨骨折していた、咳が出る風邪と思い受診したら誤嚥性肺炎の初期だったなど、高齢になると若い頃には想定できないような理由で骨折していたり病状が悪化していたりするのです。
インフルエンザをこじらせて入院、そして死に至ることもあります。高齢になると抵抗力がなく、弱ってきます。親世代は身体に関するリスクが多くなることを理解し、急な入院にも慌てない準備をしておきましょう。具体的には「近所の病院の確認」「入院時に必要な書類について知っておく」「入院生活に必要な物を知っておく」という3つが、準備としてあげられます。

家から一番近い入院設備のある
病院をチェックする
親や自分の家から一番近くて、高齢者が入院する可能性が高い診療科でもある内科・整形外科・外科を備えた200床未満の入院設備のある病院をチェックしてみましょう。一般病床を200床以上持つ病院に紹介状を持参せず直接受診すると、数千円単位の特別料金を請求されることがあります。
近所の診療所をかかりつけ医として、必要に応じて紹介状をもらい大きな病院を受診するという選択もあります。ですが、予めこの200床未満の入院設備のある病院をかかりつけ医にしておくと、急な入院でも今までの診療データがあり安心です。
転院となってもこの規模の病院であれば更に大きな病院との連携もあり、対応がスムーズです。また認知症と骨折の受診など複数の診療科を一日で受けることができるので、普段の診察も安心かつ効率的です。救急搬送は病院を選べませんが、身近でかつ信頼できる病院を決めておくと、急な出来事にも慌てることがありません。
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