コロナ禍、好転せず…融資の状況は?
2021年の初頭に、中小企業のおかれている金融状況について整理しておきましょう。中小企業経営者は、環境を正しく理解した上でこのコロナ禍を乗り越えてください。
【ピークアウトした新型コロナ融資】
政府系金融機関である日本政策金融公庫の、新型コロナ感染拡大前である2019年12月から2020年11月までの月別の貸出データをご覧ください(図表1、図表2)。国民生活事業は、個人事業主や小規模な企業への融資、中小事業は中堅企業などへの融資を行っています。金融機関で事業という名称に違和感があるかもしれませんが、政策公庫(日本政策金融公庫の略)の国民生活部、中小企業部と考えていただいて結構です。両事業ともに昨年5月、6月をピークに急減しています。
この制度は2020年3月半ばにスタートしておりますが、融資実行額は月額固定費の3~6ヵ月分が一般的でした。公庫の担当者からも「コロナ感染拡大の影響が見えないなかでいきなり1年分の固定費の融資は難しい。当初は3~6ヵ月分の融資で、その時に状況が好転していなければ追加融資を検討する」という説明を幾度も聞いております。ご存じの通り、2020年3月ころと比較しても状況は悪化しておりますから、ほとんどの企業が追加融資を必要としているはずですが、実行された気配がありません。
新型コロナ融資の申し込みスタートが2020年3月半ばですが、実際の融資実行時期は4月からと考えることができます。そこで4月から需要が最も高まった6月までの融資実行額と、その後の7月から11月までの実行額を比較しました。上の通り、両事業ともに4月~6月までの融資額に大きく及びません。中小企業は84%と大きく見えますが、4月から6月には借りずに新規で借入を行った企業も相当数含まれると予想します。
筆者は現役の企業再生コンサルタントとして活動しておりますので、周辺の企業情報についてお伝えいたします。
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