相続発生時、遺言や遺書の有効性についてトラブルが発生するケースが多発しています。知識を身につけ、もしもの時に備えましょう。今回は事例から、親との同居や介護が、遺産分割時に評価されるのか見ていきましょう。

 

なお、寄与分というのは「無償」で介護していた場合に認められるのが原則です。したがって、介護している子が介護による対価を得ていた場合(親から財産をもらっていた場合などはその額)や、親の家で同居し住居費を負担していなかった場合にはその賃料相当額が、寄与分の算定において差し引かれる場合もあります。

「寄与分」を主張するために準備すべきこと

親の生前に、相続の際の「寄与分」の主張を意識して介護する、という方はほとんどいないのが実情でしょう。

 

しかし、後の紛争を少しでも避けるために、もしくは自分の介護の苦労についての言い分を認めてもらうためには、どうしても親の生前の記録が重要となります。特に介護の期間が長期化するような場合は、親が亡くなられたときには、介護施設等の介護記録の保管期間が経過していて、後から裁判のために取得しようにも記録がどこにも残っていない、ということにもなります。

 

したがいまして、介護をしている者としては

 

・介護日誌をつける

・親の介護度などの状態を正確に把握し記録に残しておく

・介護にかかった費用の領収証をとっておく

・他の兄妹に、親の状態を電話やメール等で逐一報告するなどコミュニケーションを欠かさない

 

ということを心がけておく必要があります。

 

 

 

※本記事は、北村亮典氏監修「相続・離婚法律相談」掲載の記事を転載・再作成したものです。

 

北村 亮典

こすぎ法律事務所弁護士

 

 

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