円満相続の後に兄激怒「弟よ、あと1,000万円よこせ!」の真相

相続発生時、遺言や遺書の有効性についてトラブルが発生するケースが多発しています。知識を身につけ、もしもの時に備えましょう。今回は事例から、親との同居や介護が、遺産分割時に評価されるのか見ていきましょう。

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5年前に貰った土地…遺留分侵害額請求の対象か?

Q.父が亡くなり、相続人は私と兄の二人だけです。

 

父の遺産は4,000万円の預金だけで、遺産はすべて私に相続させるという遺言がありました。しかし、兄にも遺留分として4分の1は権利がありますので、遺産のうち1,000万円は兄に渡しました。

 

実は、父が死亡する5年前に、私は父から4,000万円相当の土地をもらっています。それを知った兄が「自分の遺留分を侵害している」として、私に対して遺留分侵害額請求をしており、納得がいきません。

 

父が亡くなる5年前に贈与された土地であっても、遺留分侵害額請求の対象となり、兄に対してその相当額(1,000万円)を支払わなければならないのでしょうか。

 

5年も前の話なのに…(画像はイメージです/PIXTA)
5年も前の話なのに…(画像はイメージです/PIXTA)

 

A.相続人への生前贈与は1年以上前のものであっても遺留分侵害額請求の対象となります。(原則として相続開始前10年間になされた特別受益に限定されます。)

相続人への生前贈与は基本的に遺留分侵害額請求の対象

相続人以外に対する生前贈与は、死亡する1年前までになされたものか、遺留分を侵害することを知ってなされたものでない限りは、遺留分侵害額請求の対象とはなりません。

 

しかし、相続人に対する生前贈与は、基本的には死亡時の1年以上前になされたものであっても遺留分侵害額請求の対象となります(最高裁判所平成10年3月24日判決)。

 

なぜなら、死亡の1年以上前になされた生前贈与が遺留分侵害額請求の対象とならない、ということになってしまうと、遺留分を主張されたくない相続人と被相続人が共謀して、被相続人が特定の相続人だけに全財産を生前贈与してしまえば、それから1年以上経ってしまえば遺留分侵害額請求できなくなってしまい、結局遺留分の制度が全く無意味となってしまうからです。

特段の事情がある場合」は対象外になる

もっとも、だからといって、相当昔になされた生前贈与まで遺留分侵害額請求の対象となると、生前贈与を受けた相続人に酷になる場合もあります。したがって、そのような「特段の事情がある場合」は遺留分侵害額請求の対象とはなりません

 

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こすぎ法律事務所 弁護士

慶應義塾大学大学院法務研究科卒業。神奈川県弁護士会に弁護士登録後、主に不動産・建築業の顧問業務を中心とする弁護士法人に所属し、2010年4月1日、川崎市武蔵小杉駅にこすぎ法律事務所を開設。

現在は、不動産取引に関わる紛争解決(借地、賃貸管理、建築トラブル)、不動産が関係する相続問題、個人・法人の倒産処理等に注力している。

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