私募ファンドの組成・運用に関連する専門家は7つ
私募ファンドを組成し、運用していく過程では以下のように様々な関係者や専門家がかかわることになります。
①アセットマネージャー
投資ビークルの保有する資産の選定・購入ならびに運用業務を担当します。会社組織の場合は、一般に「AM会社」などと呼ばれます。
筆者の会社、LCパートナーズも、AM会社の一社です。AM会社を設立するためには、金融庁への登録が義務づけられている投資運用業か、もしくは投資助言・代理業の資格が必要となります。
②プロパティマネージャー
テナント管理業務やメンテナンスなど不動産の管理業務を行います。プロパティマネージャーの役割を果たす企業を「PM会社」といいます。筆者の会社が手がける私募ファンドでは、親会社であるロジコムのグループ会社がPM会社を務めています。
③投資家
エクイティ(株主資本)を出資する者です。私募ファンドにおいては、個人投資家ではなく機関投資家などプロの投資家が想定されています。
④レンダー
デット(他人資本)の提供者で、通常は銀行等の金融機関がその役割を果たします。
最も重要な役割を果たすのはアセットマネージャー
⑤信託銀行
不動産を信託受益権化する際には、多くの場合、信託銀行が受託者になります。
⑥法律事務所
不動産購入の際の契約やストラクチャーの構築等において法律上の問題に関するアドバイスを行います。
⑦会計事務所・税理士事務所・(監査法人)
ファンドの税務、会計に関する事務をとり行います。また、投資家から監査を行うことを求められた場合には監査法人のサポートを得ることも必要になります。
これらの関係者・専門家の中で最も重要な役割を果たしているのは、私募ファンドの組成・運営を行うアセットマネージャーです。なぜなら、ファンドの収益と投資家の得られるリターンの多寡は、アセットマネージャーの資質・能力次第で大きく変わる可能性があるからです。