前回は、クラウドファンディングを活用した不動産ファンドの具体例(LCレンディング不動産ファンド)を取り上げました。今回は、その第1号商品である「セレクトファンド」をとりあげ、商品の内容を見ていきます。

利率は返済期間が短ければ低く、長ければ高くなる

2015年に運用を開始して以来、LCレンディング社は不動産に特化した数々の投資商品を提供してきた、いわば不動産クラウドファンディングのリーディングカンパニーです。その中から第1号商品である、「セレクトファンド」をとりあげて、商品の具体的な中身をみていきましょう。

 

まず、商品名の意味について説明すると、「ロジコムセレクトファンド」とは、ロジコム及びLCパートナーズが発掘・目利きを行った案件に対する融資資金を募る際に使用するファンドの名称になります。

 

また、「不動産担保付」とは、借り手への融資に際し、借り手が所有する不動産(不動産信託受益権)に対して担保権を設定していることを表しています。「超短期」は、貸し出しの期間が6カ月であることを示します。

 

ちなみに、LCLRファンドの現時点での貸出期間は次のような形で設定されています。今後、期間も含め様々な商品を作っていく予定です。

 

超短期型 6カ月

短期型 1年

中期型 2年

長期型 3年

 

こうした貸出期間の長短や担保・保証の存否は個々の商品の利回りに影響を及ぼすことになります。

 

すなわち、返済期間が短ければ、また担保・保証があれば「貸したおカネが返済されないリスク」(債務返済リスク)が低くなることから「リターン=利率」も低くなります。逆に、期間が長くなれば債務返済リスクが高くなることから、利率は高くなるわけです。

 

なお、セレクトファンドは初めてのLCLRファンドであることを記念して、「特別配当」という形で年利を通常よりも高めに設定していました。

今後は「長期型」の商品が主になっていく

ちなみに、サービス開始当初は、超短期型も含めて提供していました。まだ一般には知られていないクラウドファンディングというプラットフォームで、いきなり長期運用するのはためらわれるという人でも、6カ月という短い期間なら安心して投資してもらえるはずという思いがあったからです。

 

また、提供する商品の特性やLCレンディング社自体を、できるだけ多くの投資家に知ってもらいたい、理解してもらいたいという意図もありました。

 

商業施設やホテルなど10年単位の運用を前提としている筆者の会社のファンドの性格上、今後は、長期型をメインに商品を展開していく見込みです。

本連載は、2016年3月28日刊行の書籍『ローリスクで年利7% 1万円から始める不動産ファンド投資』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。本書に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本書の内容は著者の個人的な見解を解説したものであり、著者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本書の情報を利用した結果による損害、損失についても、出版社、著者並びに本書制作関係者は一切の責任を負いません。投資のご判断はご自身の責任でお願いいたします。

ローリスクで年利7% 1万円から始める不動産ファンド投資

ローリスクで年利7% 1万円から始める不動産ファンド投資

小山 努

幻冬舎メディアコンサルティング

投資で資産を増やさなければ、将来の見通しが立たない――。 一般のサラリーマンの間でも、企業や社会保障に頼らずに資産をつくるしかないと、「貯蓄から投資へ」向かう傾向が強まっています。 本書では、理想先な投資先とし…

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