年齢を重ねた人の多くが発症する「白内障」。視力の低下に人知れず悩んでいる方も多いのではないでしょうか。しかし近年では、手術技法も大きく進歩しています。今回は、白内障手術を多く手掛けてきたベテラン眼科医が、白内障特有の見え方からわかる「セルフチェック方法」について解説します。

白内障が進んできたサイン…こんな「見え方」に注意!

白内障は多くの場合、10〜20年という時間をかけてゆっくりと進行していきます。

 

眼科医が検査をして、濁りが分かる程度の初期の白内障であれば、ほとんど自覚症状はありません。けれども、次のような見え方が気になるようであれば、白内障が進んできている可能性があります。

 

【白内障特有の見え方】

 

■視力の低下…水晶体の濁りによって光が鮮明に網膜に届かなくなり、視力が落ちます。

 

・前は見えていた時計、テレビ、看板などが見えなくなった。

・持っていた眼鏡が合わなくなり、何度も作り変えている。

・老眼鏡をかけてもよく見えない。

 

■目のかすみ…水晶体が濁って、視野全体に霧がかかったような見え方になります。

 

・目に入る景色が全体的に白っぽくかすんで見える。

・新聞などの細かい文字がかすんで見えづらい。目がしょぼしょぼする。

 

■まぶしさ…濁った部分に光が当たって乱反射が起き、異常なまぶしさを感じます。

 

・強い日差しや照明がまぶしく感じる。目がくらむ。

・夜間の運転で対向車のライトがまぶしく感じる。

 

■乱視…濁りによって光の曲がり方が変わり、ものが二重三重にダブって見えます。

 

・階段の段差などが重なったように見える。

・道路のセンターラインが2本あるように見える。

 

■明るさ、色の変化…白内障が進むと、水晶体が光を通しにくくなるほか、水晶体自体が黄色みを帯びてきて、微妙な色の区別が付きにくくなります。

 

・視野が暗く感じる。照明を点けないとよく見えない。

・色を見間違える。人と色の見え方が違う。

 

先ほども言ったように、白内障はゆっくりと進行していくので、徐々に見えづらくなっている状態に慣れてしまい、自分ではなかなか気づかないこともあります。

 

でも、本や新聞を読むのがつらい、パソコンがかすんで見えづらい、アイラインや細かいメイクがうまくできなくなった、信号や道路標識が識別しづらくなった、車の運転でまぶしさを感じるなど、生活をしていて「不便だな」「困ったな」と思うことが増えているのであれば、早めに眼科で相談をしてください。

 

松原令

医療法人社団松原眼科クリニック理事長

 

 

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※本記事は、松原令氏の著書『「バラ色の毎日」を叶える 白内障治療』(幻冬舎MC)より抜粋・再編集したものです。

「バラ色の毎日」を叶える 白内障治療

「バラ色の毎日」を叶える 白内障治療

松原 令

幻冬舎メディアコンサルティング

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