そしてその融資に対して、通常は経営者が連帯保証人となっています。連帯保証人は、ただの保証人と異なり、自分が借りているのと同様の返済義務が課されます。経営を承継した後継者は通常、前経営者に交代してこの連帯保証を引き受けなければなりません。
つまり、今後の継続的な成長も見込めず利益も少ない会社で、難しい人材管理に神経をすり減らし、さらに多額の借金を背負わされる…、それが、子の世代から見た中小企業承継の実態なのです。
もちろんそれでも、会社経営をやりがいのあるチャレンジングな仕事だと考えて、積極的に承継する子もいます。しかし、そんな苦労をするより、会社員として働いて安定した給料をもらっているほうがいいと考える子が増えているのです。
どうしても子を後継者にしたい…重要なことは?
それでも、どうしても子を後継者にしたいと考えるのであれば、時間をかけて準備するしかありません。その準備とは、①いい会社をつくることと、②後継者教育です。
まず必要なのは、子のほうから「こんな会社なら後を継いで経営したい」と思ってもらえるような「いい会社」を、親がつくっていくことです。
例えば、「毎年わずかでも売上成長を続けている」「高い利益を出し続けている」「新しい事業分野に積極的に投資・開拓している」「従業員がやりがいをもっていきいきと働いている」「少しずつ借入金を減らしている」、などなど。
また、ESG(環境・社会・ガバナンス)やコンプライアンスに対する意識が低く、場合によってはグレーな部分があるような会社に対する忌避感情が強い人が、若い世代に増えています。セクハラやパワハラがあるなどは、論外です。
昔であれば、会社を維持していくために多少グレーな部分があっても“仕方がない”と考える経営者も少なくありませんでしたが、レピュテーション(評判)リスクが昔とは比較にならないほど増大し、社会の見る目が厳しくなった昨今、会社をクリーンな体質にしておくことは必須です。
これらのすべてとはいいませんが、多くを兼ね備えている会社にしておけば、多くの子は、自ずから「経営してみたい」と思うようになってくるでしょう。
やる気があるなら、多少の能力不足は教育で補える
会社の環境を整え、魅力を高めたとしても、それでも子が「会社を継ぎたくない」と考える場合は、無理やり継がせることは難しいと思ってください。無理に後を継がせても、ほとんどの場合うまくいきません。なかには望んでいなかった承継を無理強いされたためにメンタルを病んでしまうケースもあるのです。あくまで本人の意思を尊重することが大切です。
一方、子にやる気があるのなら、後継者教育により育成を図りつつ、素養を見抜くことが肝要です。例えば、部門長などに就かせて部下をもたせ、リーダーシップの能力を確認することです。
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