ダイエットする人が目指すべきは「最適な状態」
ダイエットをする際、「何々を抜こう」など、ついつい「引き算」することばかりを考えてしまいがちです。
しかし、先述したように、太っている人はすべての栄養素が過剰なのではなく、過剰な栄養素と不足している栄養素が混在しているアンバランスな状態なのです。このアンバランスな状態から引き算ばかりを続けては、答えはどんどんマイナスに傾いていってしまいます。
ダイエットで目指すべき数値目標は、「できる限りの最小値」を叩き出すことではありません。もし最小値を目指すとなると、極端にいえば、結果的に骨と皮だけの状態になってしまいます。
皆さんは、そんな状態を理想としてダイエットに励んでいるのでしょうか? もちろん、違いますよね(笑)。
すべての人にとって、ダイエットで目指すべき目標は「最小値」ではなく、「最適な状態」です。それはもう少し具体的にいうと、身体が正常で円滑に機能するために、諸臓器・組織・細胞の機能と代謝が適切に維持されている状態です。そして、その正常な身体機能を支える土台には、必要十分な筋肉量と丈夫な骨が存在し、そのうえで過剰な脂肪がない状態と言い換えることができるでしょう。
この「最適な状態」について、何をどう評価して判断するかは、個人の状態によっても変わってきます。ですので、具体的に何㎏という体重だけで評価するのは、正直にいうと非常に難しいため、いろいろな角度からその人の状態を判断する必要があります。
例えば、体組成計を使ったり、血液検査を施行したりしながら、その人に合った「最適な状態」がどういうものなのか、総合的に判断していくことが求められます。
なお、この「最適な状態」であるかどうかを評価する際には、筋肉や骨など、決して不足してはいけない構成要素があることに注意しなければなりません。つまり、過剰な引き算をしてはいけない要素、むしろ足し算を加えて補充が必要な要素も含まれているというわけです。
となると、ダイエットの前提がそもそもアンバランスな状態からのスタートなのに、そこからさらにこの「最適化」を目指すには、あるものは引き算を、またあるものは足し算をしながら「過不足なくバランスを整えていく」必要があります。
要は、ダイエットをするうえで皆さんに肝に銘じてほしいのは、単純な引き算だけを考えればよいわけではなく、必ずどこかに足し算を加える必要があるのだ、ということです。そして、「何をどれだけ足していくか」を、しっかり分かっておかないと、「最適な状態」に導くことは不可能なのです。
この「足し算」の必要性と複雑さ。それこそがダイエットという方程式の、最大の難しさなのです。
平山 尚
医療法人奏仁会 理事長
大阪梅田紳士クリニック 院長
長谷田 文孝
大阪梅田健美クリニック 院長
南星クリニック 副院長
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