成行きか、または指値か……株式を注文するとき、多くの人はどちらかを選ぶでしょう。さらに「不成注文」という注文方法があります。株式投資のベテランは「覚えていて損はない注文方法」だといいます。そこで不成注文とは何か、どんな時に発注したら良いのかなど、基本的なことを説明していきましょう。※本連載では、AI技術を用いた株価予測ソフトを開発する、株式会社ソーシャルインベストメントでトレーダーとして活躍する川合一啓氏が、個人投資家が株式市場で勝ち続けていくための極意について説明していきます。

「不成注文」とはどんな注文方法か?

株式の発注方法として、当たり前ですが、多くの人が指値注文、もしくは成行注文を使って発注されているでしょう。

 

ただ、たとえば「指値で出したいけれど、売れなかったら、買えなかったらどうしよう。しかし、最後まで取引をみていることもできないし……でも今成行で売買するのは嫌だな、困ったな」というような状況になったことはないでしょうか。

 

売れなかったら、買えなかったら…(※画像はイメージです/PIXTA)
売れなかったら、買えなかったら…(※画像はイメージです/PIXTA)

 

そんな時に便利なのが不成注文です。きき慣れない言葉かもしれませんが、昔からある注文方法です。ベテランは状況に応じて活用しています。

 

そもそも不成注文とは、指値で出していて、その条件でできなかった場合、引けの時点で成行注文に変えて発注する注文方法です。

 

引けは、前場と後場の大引けが有りますので、不成注文をどちらの時間に発注したかによって、有効期限が異なります。

 

つまり、前場始まりから取引時間中に不成注文を発注した場合は、前場の取引中に指値注文で成立しなかった場合、前場の引けで成行注文に変わり、約定されます。

 

前場終了後、後場の取引時間中に不成注文を出した場合、後場取引時間中に指値注文が約定しなかった場合は、大引けで、成行注文に変わり約定されます。

 

不成注文は、前場もしくは後場のどちらかで、1日注文を出すことはできません。指値で成立できたら良いのですが、できなかった場合のことを考えて、前場の引けで成立するのか後場の大引で成立させたいのか、注文を発注する時間も考える必要があります。

「不成注文」を使う場面とは

「本当は、希望している株価で買いたい、売りたいと思っているけれど、引けまで注文の様子をみていられない、しかし今日中に売買を成立したい。指値の値段まで動かないかもしれないけれど、行くかもしれない」というような、引けの値段をある程度予測して発注される人が多いようです。

 

引け前というのは、基本的に取引が活発になる時でもあるので、引けで成行にすることはある程度その銘柄の取引の状況を把握できてないと、最後思わぬ値段になって成立してびっくりしたということも起こるかもしれません。

 

そういった意味では不成注文は、ある程度、取引の状況を把握している銘柄のほうが良いでしょう。

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