「12/21~12/27のFX投資戦略」のポイント
[ポイント]
・「コロナ後」全面安となった米ドル。その一因は、金利差とかい離した米ドル高の是正にあった。円以外の通貨に対してはほぼ終わりつつあるが、対円では続く可能性あり。
・金利差との関係からすると、2021年にかけて100円割れ、いわゆる「超円高」の可能性がある。52週MAとの関係参考にすると、米ドル/円「下がり過ぎ」の可能性が出てくるのは90~95円からと見られる。
「コロナ後」米ドル安は2021年も続くのか?
今年の米ドル/円は、3月の「コロナ・ショック」の世界的株大暴落が一段落した後から、緩やかな下落トレンドが続きました(図表1参照)。それがこの先も続くかどうかが、2021年の米ドル/円を予想する上での最初のテーマです。
ところで、「コロナ・ショック」一段落後の米ドル下落は対円だけでなく、対ユーロ、豪ドルなどで対円以上の大幅な下落となりました。そして、このような米ドルの全面安は、「コロナ・ショック」と比較されることの多い「リーマン・ショック」が一段落した後にも起こっていたのです。
「リーマン・ショック」の株大暴落が一段落したのは2009年の3月。この後間もなく、この年の高値を付けた米ドルは、年末にかけて一段安となりました(図表2参照)。そして、対ユーロ、豪ドルも含め、やはり「リーマン・ショック」一段落後も、米ドルはほぼ全面安となったのでした。
こんなふうに、「リーマン・ショック」が一段落した後、反発に転じた株価を尻目に米ドルが一段安になったのは、当時の政策の影響が大きかったのです。世界的な株暴落に歯止めをかけるべく、世界一の経済大国・米国では政策金利をゼロまで引き下げ、さらに非伝統的金融緩和、QE(量的緩和)に踏み出し、米ドル資金を大量に供給しました。これを受けた空前の米ドル余剰が、その後の米ドル売り相場をもたらしたと考えられます。
今述べたような、「リーマン・ショック」での政策対応と、今回の「コロナ・ショック」のそれは似ていました。この結果、株安に歯止めをかける政策が、その後の米ドル全面安を招くといった似た構図をもたらしたといえるでしょう。ではあらためて、そんな「コロナ後」米ドル安は、2021年も続くのでしょうか。
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