「子供の認知」は「最低限の愛情表現」だったのに…
事例のようなトラブルが起きるのは、経済的な理由もありますが、多くの場合、子供に対する愛情が伝わっていないことが原因にあります。
一般的な父親であれば子供への愛情があるのは当然ですが、ただ思っているだけでは子供には伝わりません。思い立ったらすぐに行動して認知や生活費の援助を確定させ、しっかりとそのことを伝えておくことが最低限必要だと考えます。
正妻やその子供などにとっても、社長の死後に隠し子からの訴えがあれば、社長本人だけでなくその愛人と隠し子にもひどい怒りを覚えるでしょう。ありえませんが、もし生き返って家族の心の痛みを知ると後悔するはずです。
死後に隠し子から認知請求がなされたら、正妻側からも不倫相手である隠し子の母親を訴える場合があり得ます。時効など複雑な事由は絡みますが、大変な騒動となることは間違いありません。懺悔をするなら、生前の相続対策を十分にしておくことが大切です。
今回の事例ではあまり関係ありませんが、「本当の子供かどうか」が問題となる場合があります。法律的には「本当の母親かどうか」という点は疑いがありませんが「本当の父親かどうか」は第三者からはわかりません。そのため、法的な効力をもつ「認知」という手続きがあるのです。