朝帰りした夫…不機嫌な声で伝えてきたのは衝撃の言葉
苦虫を噛んだ顔をしていた。不機嫌な声で言った。
「今からゴルフだから」と一言だけ。部屋へ行く途中、夫とすれ違った時にファンデーションと香水の混ざった匂いがした。
その時、私の戦闘モードのスイッチがオンされた。私は、玄関と廊下にモップがけをしていた。それを竹刀の構えのまま夫めがけ大きく振りかざした。
「何、朝帰りしてるの! 今からゴルフ? ふざけないで‼」
大声で怒鳴っていた。私の血液は逆流した。頭がグラグラしていた。涙が溢れ出た。顔面くしゃくしゃになっていた。昨夜の携帯の女の声と、ファンデーションと香水の混じる匂いと朝帰りとジグソーパズルのピースが一つに繋がった。浮気している! 直感はハズレない。
夫は、部屋からゴルフバッグを片手に提げ、さっき入ってきた玄関から再び出ていった。
私の怒りはすぐには収まらなかった。自分勝手に自由気ままに生きている姿は理不尽である。己の快楽しか求めず家族のことなどお構いなしで人間としての価値が全く見いだせない軽蔑しかない。私もここから早く脱出したいと思った。
冷静さをとり戻してこう考えた。人は完全ではないがゆえに、時に誤ちを犯すこともある。夫も一時的な感情に流されて、他の女と関係を持ったのかもしれない。ましてや相手は飲み屋の女ではないか。商売でお金目的である話はよくある。世間一般的で言うなら、遊ばれているのかもしれない。
確かに夫は女好きである。舅に似てしまったのだ。悪いところが似ると言うのは本当なのかもしれない。浮気の行方は、行方不明のままにする方が平和な選択だと考え納得できないまま強引にフタを閉めた。
【続く…】
本記事は幻冬舎ゴールドライフオンライン掲載の『プリン騒動』を再編集したものです。