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連載プリン騒動【第3回】

新婚主婦が絶句…「赤ちゃんできた」報告に、夫の破壊的な一言

新婚主婦が絶句…「赤ちゃんできた」報告に、夫の破壊的な一言

幻冬舎ゴールドライフオンラインの人気エッセイ『プリン騒動』。結婚、出産、そして離婚…双子を育てる主婦が記した壮絶な義両親とのバトル。なぜ彼女は苦しい日々を一冊の本にまとめたのか? 衝撃の実話を、連載にてお届けします。

「三週目です。おめでとうございます」

新婚旅行後、生理が一週間も遅れていた。いつもはきちんとくるため、間違いないと思った。翌日、産婦人科の場所を姑に聞いて診察を受けた。

 

病院の中は、当然、妊婦さんばかりだった。マタニティドレスを着ている姿は何とも言えず幸せそうだ。お腹に赤ちゃんがいる人は聖母マリアの顔をしていた。私の隣に座っている女性は何カ月だろう? だいぶ大きいお腹が誇らしげだ。私は、自分のことのように嬉しい気持ちになった。幸せなミルク色の空気が院内を優しく包みこんでいた。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

私は、新患の問診票を記入した。まだ初々しい名字を書き間違えないように丁寧に書いた。四十分くらい待っただろうか。

 

「風間さん。診察室へどうぞ」

 

四十代はじめくらいの小太りの看護師さんが、ニコニコした声で私を呼んだ。

 

「はい」と、透き通る返事をした。

 

診察室に入ると、中年の院長先生と思われる小柄で温厚そうな雰囲気の先生が椅子に腰かけていた。いくつか質問をされてから、検査をした先生は、私の期待を決して裏切らなかった。

 

「三週目です。おめでとうございます」

 

嬉しさを隠しきれずに答えた。

 

「ありがとうございます!」

 

どう表現したらいいのか、全身が鞠のように弾んだ。今まで生きてきて、嬉しいことはたくさんあった。しかしこの気持ちは生まれてはじめての感覚だった。赤ちゃんができたのだ。幸せな気持ちでいっぱいになった。一秒でも早く帰って、家族に知らせたかった。

 

「ただいま。赤ちゃんができました。予定日は二月十日です」

 

姑は喜んでくれた。孫ができることは、やはり嬉しいことなのだ。明るい未来を想像した。元気な子が生まれますように。神様に手を合わせた。

 

夫の帰りを待ちながら、想像していた。共に喜びを感じてくれる笑顔だけを描いていた。

 

夜九時半すぎにガラガラと玄関が開く音が聞こえた。夫が仕事から帰って来た。すぐに食事のしたくをした。仕事疲れなのだろう、あまり気分が優れない顔をしていた。しかし、夫が台所の椅子にかけたのを確認すると同時くらいに言葉は口から勝手に飛び出していた。

 

「赤ちゃんができたの。出産予定日は二月十日だって!」と嬉しさがはみ出るくらいの極上の笑顔で話した。夫の答えは聞かなくても分かっていると思っていたが、返って来た言葉は私の人生のなかで一番悲劇的、いや破壊的な悪魔の言葉だった。

1962年生まれ。みずがめ座、A型。

栃木県の高校を卒業後、スーパーへ就職。ゴルフ、スキー、テニスの等スポーツ用品売場の担当となり、接客の仕事の楽しさを学ぶ。人とのコミュニケ―ションの大切さと面白さを会得したことは財産でもある。母親に似た人見知りをしない明るく前向きな性格は、苦しい時に大きな助けとなった。現在は接客の仕事につき、人とかかわる仕事はやはり自分に向いていると実感。「自分は何をしたいのか? どう生きたいのか?」を自問自答する一方、未来が楽しみでワクワクしている。“一生勉強”をモットーに、上を目指して生きたいと考えている。

著者紹介

連載プリン騒動

プリン騒動

プリン騒動

風間 恵子

幻冬舎

子育てに奮闘する主婦の衝撃の実話 「ママ、プリン作って」——そんな、我が子の無邪気な一言が、家族バトル勃発の引き金になろうとは……。結婚、出産、そして離婚。 「私の人生捨てたもんじゃあない!」妻として、母とし…

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