大島紬の和服の売り上げが低下…女性起業家の決断は?
これは、その他の事業でも同様です。私が大阪府の審議会委員在任中に、出資法人の中期計画を検討する機会がありましたが、例えばハイキングコースなどを含む自然公園事業に関して、年齢別、性別、学生(幼児、小・中学)、社会人別等など、入場者の変遷を精査することを提案したことがありました。
高齢者が増えているか、小学生や子供が増えているのか、或いは男性が多いか女性が多いか、その変化を知ることによって施設の運営方針や充実すべき重点が決まってくると思ったからです。
又、和服用に織られていた大島紬で洋装や洋品をデザインして販売している事業者があります。大島紬の和服の売り上げが低下する中で、細の事業をもう一度活性化したいとの願いから、1988年(昭和8年)に女性起業家が発案した事業でした。
一般に和服の売り上げ減少がはるか以前に始まっていたことを思うと、この転換はむしろ遅かったと言えるかもしれません。大島紬が和服の超高級品としての位置づけだっただけに、和服へのこだわりが強く、そのことが転換の決断を遅らせたことは想像に難くはありません。
事実、着想したのちも、周囲の同意はなかなか得られず発売までには尚数年を要したとのことでした。それだけに見事転換を果たした前述女性起業家の勇気は称えられるべきと思います。この事例は、顧客の変化が始まっていても、それを見逃すことなくその変化に正面から向き合い、決断し、勇気をもって対策を実行に移すことの重要性、そしてその難しさを物語っています。
主婦が真に必要な冷蔵庫を調査し、大ヒットに…
次に、私の三洋電気在職中の商品開発の経験を紹介します。1970年(昭和9年)に、業界に先駆けて初めて2ドア冷凍冷蔵庫を発売した時のことです。
当時、欧米では既に2ドア冷凍冷蔵庫は発売されていたのですが、国内ではまだ1ドアの冷凍冷蔵庫(内蔵の製氷室を冷凍庫に機能強化したもの)しか発売していませんでした。然しその2ドア冷凍冷蔵庫を何時発売するかが業界の共通の問題でした。大方の見方は、冷凍食品が発売されて間もないころだったので、冷凍食品が家庭にある程度普及することが条件で、まだその時期ではないのではないかというものでした。
ところが、1ドア冷凍冷蔵庫を使う主婦の意識は、冷凍食品が普及するまでもなく確実に変わっていたのでした。私も、冷凍食品の普及が条件ではないかとの思いは各社と同じだったのですが、あえて主婦の興味度を知る目的で、簡単な冷蔵庫のスタイル調査を行ったのです。
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