コロナ禍により急速に導入が進んだ「テレワーク」。一見働きやすくなるかのように思われましたが、多くの人が「在宅勤務にはまた別の大変さがある」ということを実感しています。特に気になるのが「出費」。テレワークに伴う出費は経費として認められるのでしょうか? また、認められない場合でも負担を減らす方法はないのでしょうか。※本連載は、出口秀樹税理士の著書『経費になる?ならない?知って得する領収書の本』(三笠書房)より一部を抜粋・再編集したものです。

実際の負担額を控除する「特定支出控除」もあるが…

このような会社での精算を認めてもらえなかった場合には、所得税の特定支出控除の制度を利用することを検討してみてください。

 

サラリーマンには、原則として必要経費の控除がありませんので、給与所得控除という概算控除制度が設けられています。

 

この概算控除を使用せずに、実際に負担した必要経費については、特定支出控除が認められているのです。

 

国税庁のホームページでは、その対象となる支出が掲げられています。

 

<特定支出控除の対象となる支出>

①書籍、定期刊行物その他の図書で職務に関連するものを購入するための費用(図書費)
 

②制服、事務服、作業服その他の勤務場所において着用することが必要とされる衣服を購入するための費用(衣服費)
 

③交際費、接待費その他の費用で、給与等の支払者の得意先、仕入先その他職務上関係のある者に対する接待、供応、贈答その他これらに類する行為のための支出(交際費等)

 

その支出の額の合計額が65万円を超える場合には、65万円までの支出に限られます。また、その支出がその者の職務の遂行に直接必要なものとして給与等の支払い者(つまり会社)より証明がされたものでなければなりません。

 

さらに、この特定支出控除を受けようとする場合は、個人が確定申告をしなければなりません。

 

残念なことに、テレワークに伴い個人がパソコンを購入した場合については、上記①~③のどれにも当てはまらないので、この特定支出控除の対象外となっています。

 

ただし、業務上必要なインターネット上に掲載されている有料記事のかかる支出については、一般的に不特定多数の者に販売することを目的として発行されるものですので、勤務必要経費(図書費)に該当することとされています。

 

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