「領収書があれば、なんでも経費として精算できる」…多くの日本人には、領収書に対して一種の神話ともいうべき、強い思い込みがあるようです。そんな思い込みから「出せば通るもの」と油断してはいないでしょうか? ビジネスマンが領収書を受け取ることが多いのは接待や交際といった場面。会議の飲食費やゴルフプレー代がよくある例ですが、これらには当然「経費になる場合」「ならない場合」があります。ビジネスマンとして押さえておくべき領収書の知識を解説。※本連載は、出口秀樹税理士の著書『経費になる?ならない?知って得する領収書の本』(三笠書房)より一部を抜粋・再編集したものです。

身近な「交際費の領収書」だが、実は取り扱い要注意

会社で領収書をもらうケースとして、かなりの部分を占めるのが交際費です。会社の関係先などと懇親を深めるために支出したり、交流をすることで新たな取引先の開拓や既存取引先との円滑な関係の継続を目的に支出されます。

 

会社の経理部門としては、その目的が明確であるかどうかを確認することになります。特に交際費の場合には、経理部門のチェックは厳しくしなければ、後に税務調査が実施され、説明を求められたときに困るので扱いは簡単ではありません。

 

会計的には接待交際費は単なる経費の一つに過ぎませんが、税務的にはその取り扱いは他の経費と異なります。

 

税務上の交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先、その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出する費用とされています。

 

税務上、交際費は“冗費”とみなされ、その支出についてはかなりの制限が設けられているのです。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

支出の目的や内容…「交際費」には詳細な記録が必要

具体的には、税法上、控除できない金額(このことを損金不算入といいます)が以下のように決められています。

 

●期末の資本金の額又は出資金の額が1億円以下である等の法人

次の①②のいずれか少ない金額が損金不算入となります。

 

①飲食その他これに類する行為のために要する費用の50%に相当する金額を超える部分の金額

②年間800万円の定額控除限度額を超える部分の金額

 

●上記以外の法人

上記①の金額を超える金額

 

ただし令和2年度税制改正で、接待飲食費に係る損金算入の特例の対象法人から、資本金の額等が100億円を超える法人が除外されることとなりました。

 

このように交際費は税務的には別の取り扱いをするため、その支出の目的やどのような内容なのかを事細かに記録しておかなければならないのです。

 

交際費の領収書の取り扱いについては、他の費目以上に注意しなければならないといえます。

 

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