日本の「宗教の信者数」は総人口よりも多い、謎
もうすぐ2020年も終わり、2021年が始まります。コロナ禍のなか、いつもとは異なる年末年始になりそうですが、例年であれば「正月は神社に初詣」という人が多いのではないでしょうか。
そんな様子をみて「少し前にはクリスマスを祝っていたのに……」と訝しそうな人の姿も。確かに、お葬式は仏教の様式で行われることが多い一方、げん担ぎで神社に行ったり、結婚式では教会(チャペル)で永遠を誓ったり……信仰心の強い人からしたら、この宗教観は不思議なものに見えるでしょう。
「あなたは何の宗教に属していますか?」
そう聞かれたら、大抵の日本人は頭を悩ませるのではないでしょうか。
日本人の宗教観は、統計からも感じ取ることができます。文化庁による「宗教統計調査」(令和元年度)によると、全国の宗教団体(宗教法人含む)は215,570。そのうち神社は81,074、寺院は76,930、教会は31,100、布教所(布教所、講義所、伝道所、宣教所の名称をもつもの)は20,197、そのほか(神社、寺院、教会、布教所に該当しない、修道院、別院、分苑、支部、会衆などの名称をもつもの)は6,269を数えます。
都道府県別にみていきましょう。
神社が最も多いのが「新潟県」で4,711。次いで「兵庫県」で3,867。「福岡県」3,419、「愛知県」3,358、「岐阜県」3,268と続きます。
次に寺院が最も多いのが「愛知県」で4,559。「大阪府」3,386、「兵庫県」3,282、「滋賀県」3,205、「京都府」3,065と続きます。
教会が最も多いのが「大阪府」で2,559。「東京都」2,348、「兵庫」2,059、「北海道」1,621、「愛知」1,598と続きます。