どうにか心を落ち着かせた上司が再び激怒したワケは…
想定外の事態です。こういう場合、たいていはパニックに陥ってしまいますが、上司は東京駅から新幹線を使うという次なる手段を冷静に考え、タクシーですぐに行こうと彼に指示しました。
ここまでは、上司にも問題がありました。搭乗15分前までに手荷物検査に入るべきだったのです。彼と会う約束を優先したところが落とし穴でした。
また、メールが届くかの確認も事前にしなければならなかったのです。タクシーは、東京駅まで急いでくれました。しかし、結局会議のプレゼンに間に合う列車には乗りそびれました。
そこで上司は、直接行くことは諦(あきら)め、関東支店からインターネットのテレビ電話を使い、会議に参加することにしたのです。急遽(きゅうきょ)新幹線で関東支店へ向かうことになりました。
なんとか会議の開始に間に合い、プレゼンのスライドを彼が準備し、スライドをめくりました。そこで上司は、再度絶句したのです。
画面に映し出されたのは、練り直す前の古いスライドのものだったのです。
それでも上司は、皆の前でうろたえてはいけないと、平然と古いスライドでプレゼンを続けました。上司の頭の中は怒り心頭でしたが、部下のそういう行動に慣れていたこともあるのでしょう。
そして、今後のためには我慢するだけでなく、なんとかして二度とこのようなミスを犯させないような工夫が必要だと考えました。一日でこれだけのミスが続けば、普通ならクビでもおかしくはありません。心の広い上司だからこそ怒られずにすんだのです。
しかし、この話にはまだ続きがあります。