読み物中心の記事ページの「ネイティブ広告」が増加
前にSEOの話をしたときに、検索結果の上位に持っていくためにサイトのコンテンツを充実させる手段があることを説明しました。この目的でコンテンツを充実させてサイトを運営するケースもあります。ただし、SEOに固執し過ぎて、コンテンツ制作に追われてしまうと、ユーザーにとってはそれほど有益ではないコンテンツが増えてしまうため、本末転倒となってしまいますので、注意が必要です。
コンテンツを充実させたいという需要に応えて、テキストライティングを専門に行う会社も増えています。ただ問題はそのテキストコンテンツの質です。ネット上でライターを募集し、いわゆるクラウドソーシングでコンテンツを制作しているケースでは、不特定多数に仕事を依頼しています。
低価格でテキストコンテンツ制作を引き受ける会社は、ライターの力量を問わず、なおかつ安い報酬で文章を書かせたりしているはずです。すると読んでもつまらないコンテンツが無駄に増えていくだけです。
コンテンツマーケティングはそれまで自社に興味がなかったネットユーザーの関心を引き、囲い込むのに有効な手段のひとつですが、肝心のコンテンツの質が保たれているかどうかに気をつけなければなりません。
ピーアールと思わせない「ネイティブ広告」が増えている
〝広告っぽさ〞を薄める手法として、やはりここ1、2年で増えてきたのが「ネイティブ広告」です。サイトの中に広告をうまく溶け込ませているといってもいいでしょう。
ネイティブ広告は、ポータルサイトやニュースサイトに、お勧め記事のような形で入っています。例えばヤフーニュースのサイトには、インフィード広告と呼ばれるものがあります。各種ニュースサイトやキュレーションサイトにも記事の下にレコメンドウィジェット広告があり、いずれもほかの関連記事へのバナーやリンクと違和感なく埋め込まれています。SNSでは一般的な投稿と一緒に表示される広告がこれにあたります。
そのバナーやリンクをクリックすると次のページに飛びますが、そこもまたすぐに広告と分かるようなランディングページにはなっていません。「なんだ、結局広告か」と思われたら、すぐに離脱してしまうからです。多くは読み物中心の記事ページで、読み進めるうちに自然と広告主が目的とするテーマに興味が湧き、広告のランディングページに来てもらうという流れを想定しています。
最初の記事ページは、よく見ればピーアールであることが分かるとは思いますが、読んでも損はないように配慮したコンテンツで、途中からクライアントに関連する話題となります。これまであったネット集客手法よりは遠回りに見えるかもしれませんが、ランディングページまで来た読者はかなり関心があるのでコンバージョン率が高くなることが期待できます。呼び込むことが難しかった潜在ユーザーにもプロモーションをかけることができるので、顕在ユーザーへのプロモーションが頭打ちとなっている広告主がここ最近よく使う手法となっております。
後藤 晴伸
後藤ブランド 社長
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